概要
丹下純子は、収容所で暮らす日系ハーフエルフの少女。
弟ティムを外の世界へ出すため、彼女は陸軍情報部からの危険な任務を引き受ける。
用意された偽名は、ジュン・タンゲ。
潜入先は、エルヴァリア陸軍の中でも、差別を受ける移民二世兵士たちで編成された戦闘部隊。
任務は、味方であるはずの無愛想なエース、秋月敏郎の秘密を探ること。
けれど、戦場で純を待っていたのは、彼女に初めて自由を感じさせる鋼鉄の相棒だった。
十四トンの四脚機動兵器、M4A9ハウンド。
走り、撃ち、衝角で敵を裂く、鋼鉄の猟犬。
純は、戦死した少年兵が遺した三号機〈BLOWIN’〉に乗ることになる。
そこには、白い〈風〉と桜吹雪のパーソナルマーク、秋月が抱える傷、そして記録から消された作戦の
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- ★★★ Excellent!!!性別を偽る潜入捜査と、機械の猟犬で駆ける戦場パート
弟のために性別を偽りエルヴァリア陸軍に入隊する純。その目的は一人の男を調査することだった。
男性兵士として入隊した先では、むせかえるような男たちとの同居生活が待っていた…!
というのは冗談…まああながち最初ら辺はそうでもないのだが、しかし戦闘が始まると様相は目紛しく変わった
一つ一つのシーンがドラマチックで、戦闘が始まる前はどこか感傷を感じさせながら、純の最初の任務が始まれば、既にいきなりクライマックス!
本格的な戦闘シーンや軍隊の動き方の描写、風を切るハウンド達が駆ける姿がカッコ良すぎます!
まだ一章を読み終えて少しですがタンジュン君ちゃんと同部隊の仲間たちがどのような関係を紡いでいくかと…続きを読む - ★★★ Excellent!!!~ 「映画の続き」を観るために、少女は猟犬に乗った ~
序章の一文が、すべてを語っています。八歳の少女が劇場で映画を観ていた、その日に戦争が始まった。そして八年後、彼女はまだその映画の続きを観ていない——この構図だけで、純子が失ったものの重さと、それでも前へ進もうとする意志が一気に伝わってきます。
日本人移民とエルフの混血という設定が、第二次大戦期の日系人強制収容所の歴史と重なりながら、ファンタジーという形で描かれている世界観の重厚さが圧倒的です。差別、収容所、偽名、男装潜入——これだけの要素が、説明過多にならずに純子の「弟だけでも自由にしたい」という一点に収束している構成の巧みさに、作者の力量を感じます。
秋月敏郎という無愛想なエースが抱える傷…続きを読む - ★★★ Excellent!!!鋼鉄の猟犬が駆けるとき、少女の運命も動き出す
本作を読んでまず胸を打たれたのは、主人公・純の覚悟でした。
収容所で暮らす少女が、弟の未来のために髪を切り、男の名を名乗り、軍へ潜入する。その決断の重さが丁寧に描かれているからこそ、序盤から強く感情を揺さぶられます。
また、本作の魅力は男装潜入や軍事設定だけではありません。
移民二世が置かれた厳しい立場、戦争によって奪われた日常、少年兵たちの複雑な想いが自然に物語へ溶け込んでおり、世界そのものに確かな厚みがあります。
そして何より素晴らしいのが、ハウンドの存在です。
鋼鉄の四脚機動兵器でありながら、その走りには確かな生命感があります。主人公が初めてハウンドを目にし、心を奪われる場面では…続きを読む