概要
魔法使いのほとんどが貴族の世界。
王都から離れた港町で、しがない魔道具技師として細々と暮らすリリアは今日も、カビたチーズと固いパンを薄いスープに浸して食べる毎日。
そんなリリアの夢は、3年前に他界した祖父が残した唯一の未完成品『魔力集積装置』を完成させること。
大気に漂う微量の魔力を蓄積し、魔法の動力として使用するそれは、完成すれば誰もが魔法の恩恵に預かれる夢の研究だった。
夢を叶える為にも、世界中の魔法研究が集まるファンダリア魔法学園への入学を願うリリア。
誰もが幸せな世界を、そして自分の足で立ち上がる術を、そんなリリアの夢はある日突然壊される。
魔法学園への入学資金と、祖父の残
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!~ 信頼を裏切る一文の鮮烈さ——下剋上ファンタジーの王道導入 ~
第1話の何気ない日常描写から、第3話への落差が本作の真骨頂です。オリバーという善意の支援者に見えた人物との、紅茶を分け合うような温かい朝の場面――その直後、最後の一文「今夜だ、頼む」という冷たい呟きでオリバーの正体が示唆される構成は、読者レビューにもある「やさしい顔をした世界が静かに牙を剥く」という評にそのまま当てはまる見事な仕掛けでした。
第3話の描写も生々しく、車椅子で港まで向かうリリアの必死さ――酷使した手のひらから血が滲み、車輪を強引に段差で越える描写は、彼女の「立てない」という設定を単なる属性ではなく、物語上の痛みとして機能させています。路地の少年に縋るように情報を求める場面も、信…続きを読む - ★★★ Excellent!!!奪われても、立ち上がる意志は奪えない
この物語、やさしい顔をした世界が静かに牙を剥く、
その瞬間の“温度差”で心臓を撃ち抜いてくる。
リリアの無垢な努力と、ちょっと抜けてて愛おしい日常の手触りに、
こちらが勝手に「大丈夫だろう」と油断した頃合いで、現実が無慈悲に裏返る。
その残酷さがただ痛いだけじゃなく、それでも進むを選ばせる燃料になっているのが、ずるいほど強い。
オリバーという人物もまた、単なる悪ではなく“理屈として正しい顔”をしてくるのが厄介で、だからこそリリアの選ぶ一歩に、綺麗事じゃない体温が宿る。
車椅子の軌跡が、そのまま意志の軌跡になっているのも胸を打つし、魔道具の理詰めと感情の爆発が同時に走るクライマックスは、理性と…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「できないこと」より「どうしたらできるか」
ねえ、おじいさん!
このお話ね、最初は車椅子の女の子が魔法学園に行くって聞いて、「大変そうだなあ……」って思ったの。
でもね、読んでいるうちに、山を駆け回るみたいにワクワクしてきたの!
魔力がないから諦めるんじゃなくて、「だったらみんなが使える魔法を作ればいいじゃない!」って進んでいく姿がとっても素敵なの。
それにね、魔法が一部の人だけの特権じゃなくなっていくところは、まるでアルムの山に吹く風みたいに気持ちがいいのよ!
読んでいると、「できないこと」より「どうしたらできるか」を考える大切さを思い出させてくれる作品なの。
クララもきっと夢中になって読むと思うわ!