概要
まるで亜紀の愛がわたしの中を満たしていくような感じだった。
恋人・亜紀のもとへ「退院」という形で運ばれた絵美は、すでに動かぬ身体となりながらも、なぜか意識だけは残されていた。エンバーミング技師である亜紀は、かつての恋人として、そして専門家として、絵美の身体に最後の処置を施していく。それは別れであると同時に、長い間の触れあいをなぞるような「最後のスキンシップ」でもあった。やがて絵美は美しく整えられ、ガラスの中の静かな存在となる。触れられない距離へと隔てられながらも、亜紀は変わらぬ想いを携えて通い続ける。これは、「触れあい」の終わりと、その先に残る愛を描いた、切なくも歪んだラブストーリー。
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