中学生の娘と二人きりの一週間を過ごすことになった父親は手料理を振る舞うことになるのだが……。父と娘の会話、それから父の心情描写が軸となり進んでいく物語にはいくつかの料理が登場する。キャラクターの言動や文章から読み取れる内面の部分は、手料理という食べたことがないはずの物体のビジュアルや味、匂いをふんわりと想起させる。刺々とした心情や行動の裏に存在する「こんなはずじゃないんだよな」と両者が抱えているであろう気持ちの出所は、きっと思いやりというあたたかい感情からなのだと思う。素晴らしい物語をありがとうございました。
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