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概要
「ただいま」の声が掠れた瞬間、壁の裏で千の鱗が擦れ合った。
福岡市中央区、家賃三万二千円の「九十九荘」。
そこには、顔に死斑の浮いた老婆から渡された、奇妙な入居ルールがあった。
「帰宅したら必ず、壁に向かって『ただいま』と言うこと」
現場帰りの疲労で声が掠れたあの日、俺は絶縁体(しきり)を破ってしまった。
――シュルリ。
変形し、穴を晒すコンセントの隙間から覗くのは、黒く細い「舌」。
壁の向こうで、何百もの「声」が重なり、粘りつく。
「多蛇(たじ)……忌(い)ま……」
電気屋の俺が迷い込んだ、絶縁不良の地獄。
今夜、あなたの部屋の壁も、きっと鳴り始める。
著:位相 朔
【この絶望の、続きを。】
脱げない恐怖、纏う絶望。
■ダウン着て、ダウン
そこには、顔に死斑の浮いた老婆から渡された、奇妙な入居ルールがあった。
「帰宅したら必ず、壁に向かって『ただいま』と言うこと」
現場帰りの疲労で声が掠れたあの日、俺は絶縁体(しきり)を破ってしまった。
――シュルリ。
変形し、穴を晒すコンセントの隙間から覗くのは、黒く細い「舌」。
壁の向こうで、何百もの「声」が重なり、粘りつく。
「多蛇(たじ)……忌(い)ま……」
電気屋の俺が迷い込んだ、絶縁不良の地獄。
今夜、あなたの部屋の壁も、きっと鳴り始める。
著:位相 朔
【この絶望の、続きを。】
脱げない恐怖、纏う絶望。
■ダウン着て、ダウン
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