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概要
彼女のことを、覚えていたかった。
人と異種族の交わりを禁じる律が支配する、霧深い和の異世界。
薬草師見習いの柊は、夕暮れの川べりで霧の中に佇む白い影を見た。霞人と呼ばれる異種族の少女、霞。声をかけても消える。翌日も来る。その繰り返しの中で、二人の間に言葉が生まれ、季節が変わり、やがて名前を呼び合うようになっていった。
しかし「越族の禁」は存在した。人と異種族が深く結ばれることを禁じる古い律。破った者には、朝廷の気執りによって「御帳の術」が執られる。対象にまつわる記憶だけを選んで消す、抵抗不可の術が。
禁忌を知りながら、柊は川べりへ通い続けた。霞もそれを知りながら、離れなかった。
それがどこへ向かうのか、二人はずっと前から、知っていた。
薬草師見習いの柊は、夕暮れの川べりで霧の中に佇む白い影を見た。霞人と呼ばれる異種族の少女、霞。声をかけても消える。翌日も来る。その繰り返しの中で、二人の間に言葉が生まれ、季節が変わり、やがて名前を呼び合うようになっていった。
しかし「越族の禁」は存在した。人と異種族が深く結ばれることを禁じる古い律。破った者には、朝廷の気執りによって「御帳の術」が執られる。対象にまつわる記憶だけを選んで消す、抵抗不可の術が。
禁忌を知りながら、柊は川べりへ通い続けた。霞もそれを知りながら、離れなかった。
それがどこへ向かうのか、二人はずっと前から、知っていた。
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