概要
鏡越しに視線が絡み合う。その美しい手は、私を壊すためにある。
鏡越しに絡み合う視線。銀色のハサミが刻む、静かなリズム。
その指先が髪に触れるたび、私の日常は音を立てて崩れ去っていく。
受話器越しに繋がる体温、そして夢の中で胎内へと侵入する指先――。
私は、彼の手を愛してしまった。
これは、指先の残像に魂を差し出した女の、濃密な独白。
♪ 茨の海ー鬼束ちひろ
その指先が髪に触れるたび、私の日常は音を立てて崩れ去っていく。
受話器越しに繋がる体温、そして夢の中で胎内へと侵入する指先――。
私は、彼の手を愛してしまった。
これは、指先の残像に魂を差し出した女の、濃密な独白。
♪ 茨の海ー鬼束ちひろ
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おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!指先の偏愛が、静かに胸を刺す掌編
『美しい手』は、ほんの短い掌編やのに、読んだあと指先に熱が残るような作品です。
派手な事件が起こるわけやないのに、鏡越しの視線、髪に触れるしぐさ、仕事の手つき――そういう細い感覚の一本一本が、読む人の中に静かに沈んでいくんよね。
このお話のすごいところは、「誰かを好きになる」という気持ちを、まるごと大きく語るんやなくて、たったひとつの部位――「手」――にぎゅっと凝縮して見せてくるところやと思います。
その偏りが、ただの恋愛の甘さやなくて、もっと危うくて、でもどこか美しい感情として立ち上がってくる。短いのに、ちゃんと息苦しさと艶っぽさと、うっすらした寂しさまで感じられるんです。
言葉は…続きを読む