欠陥と呼ばれた男の知恵と矜持が、少女の一歩と国の運命を動かしていく。派手さより真実、力より言葉、静かな強さが胸に灯る物語。小さな依頼が大きな陰謀へ繋がる、その瞬間の高鳴りが読者を離さない。
主人公リオンは、王立魔術学院の退学者にして、家賃を二ヶ月滞納している厄介ごと専門の魔法士。ある日、謎の少女トリスから「王城の食糧庫に立てこもった竜をどうにかしてほしい」という高額の依頼が舞いこみます。本作の最大の魅力は、飄々とした主人公・リオンの底知れない実力とそのクールな解決手腕にあります。「俺は普通の魔法使いじゃないからなー。戦うより話し合いのが得意だ」などとうそぶきながら、竜立てこもり事件をどう鮮やかに解決するかをぜひご覧ください!
どこか浮世離れした、自らに依って立つ、不遜な男の一コマを描いた作品です。良くある無双ものではなく、主人公の知性と行動力で魅せる。出来事の全てに根拠があり、派手ではないけど確かな強さを感じさせる、一風変わった主人公が魅力的です。もっと続きを読みたい。読後はそんな気持ちを抱きました。他にも、深みを感じる世界観や、映画を見ているかのような迫力を感じさせる描写の技術も光る、極めて精緻に作り込まれた、見事な作品です。ぜひ一読を。その価値は、あります。
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