「鮮烈」まさにこの一語に尽きます。時をつみ重ねてきた梅林から生み出された梅酒。それを口にした者らが夢にみるは、その血がたどって蘇らせた、旧き時代の激しくも美しい物語。皆様もこの文から立ちのぼる梅の香りをとおして、その光景を垣間見てくださいませ。
三題噺のお題をこれでもかと組み込んだ作品にも関わらず、違和感や無理やり感は一切感じられないところに、作者様の手腕が透けて見えます。物語もキーワードになる梅酒のように芳醇で、心地よい酩酊感と読後感を与えてくれる素晴らしい作品。これは呑まなきゃ損ですよ!