何気ない日常なのに、こんなに引き込まれるなんて!

とても素晴らしい作品でした。

前半の日常の描写!
丁寧なのに、詰まることなく淡々と情報がはいってきます。
こういう作品、たまにありますよね。
3年目の穏やかな倦怠の描き方も素敵で、何の疑問も違和感なく、すっと入ってきます。
(わたしはごちゃごちゃ書いちゃうので、こんなに読みやすくできませぬ)

そして、だからこその黒いモノリス!
前半の描写があったからこそ、いくら丼の隣に置かれる違和感が際立ちます。
その違和感を「SF」に見立てる比喩表現が、独特の納得感とおかしみをもって現れるんです!

そんな積み重ねがあるからこそ「いくらが口の中に弾ける」その描写に自然と意味を見出そうとしちゃいます。
とりあえず噛んでしまうのもよくわかるし、「弾ける」というのも、なんともいえない他の感情が弾ける様子にしかもう見えません。

SF っていうとちょっと派手な、日常からかけ離れた展開を描きがちじゃないですか。
それを何気ない描写の積み重ねと、そこで起こる出来事を SF に例えるのって、とても新鮮です!

勉強になりました!

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