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概要
空白の宙に隠されていたのは、時を巻き戻す潮と、失われたはずの声。
膨張し続ける宇宙の片隅、局所的に逆流する「潮」が存在するという。考古学者・天野礼司と妻・紗月は、地球最後の日に結ばれた夫婦として、そのヴォイドへと足を踏み入れる。渦は建物や時計、記憶ごと物を巻き戻し、やがて肉体を溶かす。だが思念だけは残り、二人は言葉なき交感で終わりと始まりを見届ける。無の奥で微かな光が脈打ち、宙はまた巡り始める——。読後に消えない余韻を残す短編。
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