美しい情景描写で紡がれる、不思議な怪談

 語り部の祖母を中心とした物語。

 語り部は、祖母が10歳の時のことを語る。

 祖母のハナはある夏の日、小高い山を越えた先に住んでいる父の弟――シゲルに、かぼちゃを届けるようにと、父から命令される。

 ハナは飼い犬のゴンを連れていくことにした。

 シゲルの家に着き、かぼちゃを届けて帰るとき、彼女は山火事が起きているのを発見する。父にその事を伝えようと急いで自宅に戻ろうとした時、ハナは恐ろしいものを見た……。

 というのがこの作品の大まかな流れです。

 どこか幻想的で不思議な話が、丁寧な情景描写で語られています。

 読み終えた後、悲しいような、寂しいような、なんとも言えない気分になりました。

 有名な民話にありそうな物語でした。おすすめです。

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