【ASMR台本】秋の旅館 二人の耳かきサービス
いち詩緒
第1話 秋の旅館 二人の耳かきサービス
※ この作品は同人音声サークルで活動をしていた当時、YouTube上で公開していたシチュエーションボイス作品である「かけあい耳かきボイス」の台本を演者の方の個性によらず演技できるようにしたものです。
そのため当時と違い、演者の方の個性、息遣い、読み方の癖、マイク等の機材特性は反映されていないものとなっています。
また、SEの挿入表記をしていますが実際に入れるのは演者ではなく、編集者が挿入する音の目安として演技の補助を目的に表記しています。
※ 演者 Aさん 妹系、幼い感じの声、舌っ足らずな話し方をする
Bさん 姉系、姉系ではあるがドジな所もある、やわらかい話し方をする
舞台 紅葉舞う現代日本の温泉旅館。時刻は十七時以降、リスナーは風呂上りで牛乳、ビール等の飲料を飲んだ後が開始地点
※ 記号等について
SE/ :環境音、効果音についての表記
↑ :上調子に読む等。詳細は別記
↓ :下調子に読む、テンションを下げ気味に読む等
→ :平坦に、機械音声のように読む 等
コンマイク:コンデンサマイク使用時の注意点等
ダイマイク:ダイナミックマイク使用時の注意点等
……①②:三点リーダ ①なら二~三秒、②なら四~六秒程度の間をとる
※ 以下台本
演者A:
SE/ 引き戸の開閉音、着物の擦れる音、演者が開閉している
「いらっしゃいませ。この旅館は初めてですか? ああ、↑(驚いたように)昔から利用してくれている近所の方なんですね。今は都会で仕事をしているんですか。私は今日が初めての耳かきサービスの日なのですが私でよかったでしょうか?」
「え? 私がいいんですか? ありがとうございます。若い新人だから味わえる心地よさとドキドキ感がいいって……②、もう、↓(落胆したように)子供だって思ってるでしょ? ……① 女将の娘だろうって? 違うよ。あ! ごめんなさい。お客さんに向かって……② え? このままの方が妹っぽくていい? じゃあ、このままはじめるね、お兄さん」
演者B:
SE/ 引き戸開閉音、着物の擦れる音、演者が開閉している
「あら? もう始めているの? いらっしゃいませお客さま。本日は新人が耳かきサービスを勤める事になりますので、私も同席いたします。……② ええ、もちろん。私も耳かきをさせて頂きます」
演者A:
SE/ 木箱からウエットティッシュ、ハンドタオルを取り出す音
「じゃあ、はじめるね。まずはこのウエットティッシュで耳の周りを綺麗にしていくね」
SE/ ウエットティッシュで耳を撫でる音
「あ、夏は海にでも行ったの?かなり焦げてるね。……② ああ~↑(疑うように)やっぱり海に行ったんだ。彼女さんと行ったの? いいな~。私なんて旅館でずっとこのお仕事だよ。……① ううん、嫌じゃないよ。でも、彼氏と海に行けなかったなんて悲しいよ。彼女さんが羨ましいな」
演者B:
SE/ ウエットティッシュを受け取り、耳を撫でる音 少し時間差を持たせる
「すみませんね。お客様。この子、ずっと海に行きたいって言っていたものですから。とはいえ、夏休みの旅館は忙しいものでして。……② そうなんですよ。ちょうど海が近い事もあってカップルのお客さんもよくいらっしゃいます。なのでこの子も羨ましくなってんでしょう」
演者A:
SE/ ハンドタオルで拭き上げる音。演者Bと共通位置
「……② え?彼女じゃない? そうなんだ~。どうして?……② そうなんだ。男の人の友達と行ってナンパとかしたけど誰も引っかからかなったんだね。お兄さんは都会で働いていて今日は旅行で来てくれたんだ。夏の間に来てくれてたら一緒に泳げたかもしれないのになあ」
演者B:
SE/ ハンドタオルで拭き上げる音
「きっと、お客さまは都会の派手な女性とは合わなかったんでしょう。↓(残念そうに)もっと暑い時期に来られていたら私も海水浴をご一緒出来たのかもしれませんね」
演者A:
SE/ 木箱から耳かき棒を取り出す音 耳かきをする音
コンマイク:こしょこしょ……① からマイク距離十センチくらいを目安に
ダイマイク:こしょこしょ……① からマイク距離五~七センチくらいを目安に
※ こしょこしょ……① については実際に言う。耳かき音は後で合成
適宜尺に合わせてコピー処理する
「では始めさせてもらうね。こしょこしょ……① こしょこしょ……① まだ慣れてないから痛かったら言ってね。こしょこしょ……① こしょこしょ……① え? 眠くなってきた? よかった痛くないみたいだね」
「ねえ、お兄さん。都会ではどんな仕事をしているの? こしょこしょ……① こしょこしょ……① うんうん、なるほどね~事務のお仕事をしていて、毎日残業で大変なんだ。それで旅行に行ってリフレッシュしようって思ったんだね」
「こしょこしょ……① こしょこしょ……① うん。うん。そうなんだ。上司にいつも文句を言われて、癒してくれる彼女も居なくて、それは辛いね。こしょこしょ……① こしょこしょ……① え? 私みたいな子が彼女だったら良かったの? ↑(上ずった感じで)う、嬉しいな!」
SE/ 耳かき棒を綿棒に持ち替えて細かい耳垢の除去 息の吹きかけ
※ 息の吹きかけ音については以下が目安 収録時、音が暴れていないか注意
コンマイク:マイク距離 十五センチくらいを目安に 耳の位置を意識する
ダイマイク:マイク距離 七~十センチくらいを目安に
「じゃあ、こっちの耳は終わったら綿棒で細かい耳垢を取るね。……② 最後に綿で拭って……②。息を吹きかけるね。ふ~……① ふ~……①。はい、終わったよ」
演者B:マイクの注意事項は演者Aと同じ
SE/ ウエットティッシュ等を片づける音 演者A セリフ終了時~
「お客様、この子が妹っぽいからといって、遠慮せず、痛ければおっしゃって下さいね。反対の耳は私が行います」
SE/ 耳かきをする音
「では始めます。こしょこしょ……① こしょこしょ……① どうでしょうか? え?この子と全然違う。こしょこしょ……① こしょこしょ……① そうでないと困りますけどね。私の方が二年は長いので」
「え? どうして耳かきの仕事を二年もしているのか? ですか。それは私も前は事務仕事をしていたんですが、会社が無くなってしまって……① だからこうしてこの旅館で働いているんです。こしょこしょ……① こしょこしょ……①」
「はい。……① はい。お客さんのいる会社も大変なんですねえ。私がいたところも他の会社との取引が徐々に減っていって。こしょこしょ……① こしょこしょ……① それが続いたある日、急に会社を畳むって言われて困ったものでしたよ。こしょこしょ……① こしょこしょ……①」
SE/ 耳かき棒を綿棒に持ち替えて細かい耳垢の除去 息の吹きかけ
「では、こちら側の耳かきも終わりましたのでこれから綿棒で細かい耳垢を取ります。……② 綿でふき取って……② ふ~……① ふ~……① さ、終わりました」
演者A:
SE/ 木箱からマッサージオイルを取り出す オイルを頭皮になじませる音
……① の箇所にマッサージ音を入れる。オイルは低粘度オイルのためあまり音はない
「次は頭をマッサージしていくね。……②(ここでオイルを手に取り、なじませる)そ~っと……① そ~っと……① 頭はかゆいところとかないかな? ……① うん、ないならこのまま続けるね。……① ……① どう? 頭がほぐれてきたかな?」
「……① ……① そう、ぞわっとする感じがあるんだね。頭をマッサージしてもらうのって気持ちいよね。……① ……① 私も時々、してもらうんだ。本当は彼氏でも出来たらしてもらいたいなって思うんだけどね」
演者B:
SE/ オイルを頭皮になじませる音
「では本日は特別に私も彼女と同時にマッサージしていきますね。……②(オイルを手になじませる)す~っと……① す~っと……① どうですか? こうやって広範囲を同時にマッサージするのは? ……① ……① 凄くぞわぞわするんですか? このぞわぞわする感じがしばらく続くと今度は暖かい感じになってきますよ」
「……① ……① どうですか? ええ、暖かくなってきたんですね。では、このまま続けます。……① ……① 誰かにしてもらうのか? ですか? 私は誰かにしてもらう事はあまりないですねえ ……① ……①」
演者A:演者B:ここから同じ演技をする
「→(なるべく感情を出さずに、静かに言う)ここから左右同時にマッサージしますね。……① ……① このまま私たちに委ねて。……① ……① 深呼吸を繰り返して ……① ……① 息をマッサージに合わせて。……① ……① そのまま続けて。……① ……①」
×2 リピート
演者A:ここから別れて演技する
SE/ オイルをふき取り、耳にローションを塗って仕上げる音
……② にタオルでふき取る音を入れる
「最後に頭に付けたオイルをこの温水で濡らしたタオルでふき取るね。……② ……② オイルが残っているなって感じがした時は言ってね。……② ……② え? 本当に気持ちよくてハーレムな気分を味わえたって? それはよかったね。……② ……② でも、今日は特別だからこんなサービスは次は無いかな」
「今日は私が耳かきサービスのデビューだから二人でやったけど、次からは私一人でするんだ。次も来てくれるよね? え? また冬になったら来るの? その時はじっくりしてあげるね。仕上げに耳にローションを塗るね。……② ……② ふ~ ……② 終わったよ。お兄さん、冬も来てね、絶対だよ!」
演者B:
SE/ ローション、タオル、桶を片づける音
「本日は当、旅館の耳かきサービスをご利用いただきありがとうございました。この子も初めての指名を貰えて嬉しいようです。私じゃなくて残念でしたが、もし良ければ今日と同じようなサービスを……いえ、それは、惚れてなんて……。これはお客様だから特別にするサービスです。冬も是非、お越しください。お待ちしております」
SE/ 引き戸を閉める音。歩く音。
ED:旅館から去る
以上となります。実際に演技をして編集作業をすると40分程度の作品になる事を想定したシナリオでした。
【ASMR台本】秋の旅館 二人の耳かきサービス いち詩緒 @ichishio
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