ブラックホールに吸い込まれた。
@Darkhole
特異点に近づいていく
私はいま、ブラックホールに飲み込まれている最中である。運良く重力や猛烈な熱にさらされることなく、ブラックホールに吸い込まれている。
2045年現在、宇宙旅行ができるようになった。20年ほど前に遠くの国に旅行する時ぐらいの値段で宇宙に旅立つことができるのだ。
ルートとしては火星方面からスタートして海王星を折り返し地点とし、太陽を通り地球に戻ってくる。
ワームホールの原理が解明された事で、光の速度でも何年もかかる惑星や銀河に行くことはできるようになった。ただ、エネルギーが膨大なため
莫大な資産が必要で億万長者でもかなり厳しい判断が迫られる。
さて、私は太陽系一周旅行を楽しみに当日を迎えた。宇宙はどんなところなのかという好奇心が高まり、前日は眠れなかった。新たな世界に旅立つ思いで太陽系一周が始まった。
宇宙に散りばめられた星の綺麗さに心が惹かれていた。なんと美しんだろうと。この宇宙は膨大でこんな美しい光景が他の銀河にも広がっているんだと考える。あの時の気持ちはおそらく2度と味わえないだろう。
だが、海王星付近で宇宙船が隕石にぶつかったりのだ。この付近ではカイパーベルトと呼ばれる何万もの隕石が太陽を中心に周回している。
しっかりと危険を考慮し、万全の対策が施されていた。しかし、今回は運が悪かった。隕石の動きがかなり不規則だったのだ。
その衝突によって、私は宇宙に投げ飛ばされた。念の為、宇宙服を着用するよう言われていたので、生き延びることはできた。
だが、不幸でもある。宇宙は重力がないため、そのまま飛ばされた勢いのまま海王星奥の宇宙を彷徨うことになってしまった。
私はここで孤独に死ぬのだろうか、と思っていたのも束の間、とてつもない重力に引き寄せられた。
その原因は全く見えなかった。だが、そこですぐにピンと来た。ブラックホールに引き寄せられたと。
おそらく、私はここで死ぬのだろうという恐怖と同時に誰も味わったことのない宇宙最強と呼べる力を初めて痛感できるのだという嬉しさでもあった。感情が混ざりあっていたため、私にもわからない感情であった。
さて、今私には何が見えていると思う。自分の後頭部だ。ブラックホールの周りでは光が一周するため、目から出た光が一周すらからである。
少しずつ内部に入って行くのがわかる。運良く体が重力でバラバラにならないのは奇跡だ。でも、もうすぐ、、、、。
内部に入るにつれ、この宇宙のあらゆる情報がみえる。この世界を表しているあらゆる情報と呼べるにふさわしく、趣味を行うことが霞むか如く、神秘的であった。
特異点にはそろそろだろう。物理法則が通じないところでは私はどうなるのだろう。そう考えながら思考が暗くなっていくのであった。
ある世界のどこかで新しい命が生まれる声が聞こえた気がした。
ブラックホールに吸い込まれた。 @Darkhole
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