男性器ンTV

ウィングマン佐々木

第1話 コンサル、まさかの提案

俺の名前は珍宝光、どこにでもいる普通の男子高校生だ。


俺は今、あるユーチューバーコンサルタントとカフェで待ち合わせをしている。


中学校の頃は親に

『高校生になるまであんたそんなことせずに安倍晋三の演説でも見ときなさいこの非国民!』

とか言われたが、高校生になった今、ようやくユーチューバーになれる。


せっかくユーチューバーになるのだから半端なことはできないと思い、コンサルと契約して本気でやるためにここに来た。


(もうすぐ来るはずだけど遅いな、まぁ年間1000円やっすやっすコンサルだから大目に見るか。)


そう思い座っていると、一人の女性がこちらの席に近づいてきた。


その女性はこちらに近づいてくるや大きな声で

『やぁダニエル!君を助けにきたんだ!』

と言い放ち、席に座ってきた。


終わった。


こんなやつが来るとは思ってもいなかったが、とりあえず相談を始めることにした。


『初めまして、珍宝光と申します。』


そういうと彼女はスッと名刺を差し出した。


(めっちゃ文字化けしてる...)


『名刺めっちゃ文字化けしてるから名前わからないよね、和多志の名前は古池百合粉、よろしくね。』


俺はコンサル代をケチったことを後悔しながらも、話を聞く。


『今のユーチューブって何がやっぱいいんですか?』


『そうですねぇ、やっぱり今ですと耳舐めASMRとかBL営業とかYAJU&Uが流行ってるんですけど、それだと競合も多いんですよね。競合が多すぎて競合だけで国が作れます。』


『やっぱりそうなんですね、大穴当ててガツンと稼ぎたいんでそう言う感じのってあります?』


『そんな甘い話はねぇよクソ野郎、消えな、ぶっ飛ばされないうちに。』

『と言うのは冗談で、なんとそんな方法があるんですよ!』


『え!?まじで!!!!!!!!!!!?????????』


『自殺配信です。』


『お前が死ね。』


『冗談です、ガチであるんですって。』

『この情報を知りたかったら追加料金としてこのカフェの三種のチーズケーキの特盛温玉付きを頼んでください。』


俺は渋々チーズケーキを頼み、その方法とやらを聞く。


『んで、その方法とは?』


『簡単です、チンポを晒しましょう。』


俺は耳を疑った。


『え?チンポを晒すだって?』


『はい、そうです。』

『ただしそのまま晒すと普通にBAN喰らうのでチーズケーキをモザイク代わりにしましょう。』


『チーズケーキをモザイク代わりに?どうやって?』


『チーズケーキにあなたの盛り上がった下腹部を突っ込むんですよ、それでモザイク代わりになります。』

『この場合は突っ込むって言うよりは、挿入の方が正しいかw』


その瞬間俺は、こいつはキ⚪︎ガイだと確証を持った。


『なるほど、どうやってBANを回避するのかはわかりましたが、なぜチンポを晒す必要があるんですか?』


『需要があるからです、例えばジュニアアイドルってほぼAVみたいな動画も結構出回ってるじゃないですか、だったら高校生のチンポも需要あると思うんですよ。』


『いや、そうとは限らないでしょ、それに俺はそんなことしたくないです。』


『じゃあ他に何するか考えがあるの?』


『もちろんありますよ!』

『例えば動画で安倍晋三叩いたり、石破やめるなとか言ってみたり、戦争の原因はユダヤ人の金稼ぎのためとか言ってみんなに真実に氣づいてもらうための動画とか。』


『お前まじで人のこと言えないからな、チンポ晒しよりBANされやすいぞ。』

『じゃあもうチンポ晒し系で決定ね。』


『えぇ、そんなぁ...』


『アカウント名はそうだなぁ、セイキンと男性器をかけて...』

『男性器ンTVだ!』


彼は自分の人生の終わりを確信しつつ、彼女とラインを交換し男性器ンTVを始める決心をした。


この決断が、後の悲劇につながることも知らずに

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