夫婦の日常的なドライブにまつわる諍い掌編です。運転する旦那のコンタクトレンズが片方外れてしまい、急遽ペーパードライバーの妻が交代することに。
しかし、ペーパーの方が急に運転をお願いされた時の恐怖たるや……本当に心身ともに震えるのが伝わってきます。
夫婦の身長差は24cm、シートポジションの位置を変えるだけでも旦那の態度は一変。そのまま諍いモードに突入し、信号待ちでもなんやかんやで夫婦の熱はヒートアップ。
二人の収まらない熱を嗜める後方からのクラクション。収拾つかない展開にどうなってしまうのか。
ラストはどこかホッコリできる素敵な仕上がり。恐れ……怒り……安堵……様々な感情を一度に楽しめる日常の夫婦のリアルが描かれた本作。旦那のマイカーへのこだわりが奥様のメンタルに火をつける、作者様ご用達のドライブコメディです。
単なるカップルのお買い物が、身勝手な彼氏の提案で哀しい地平線までの片道切符に……。
でも、ホントいるんですよねこういう男って……
安全設計だからとか、隣に俺いるしとか、全く根拠じゃない根拠を並べて、愛車を運転させたがるの。
多分これ、中世の貴族からの風習なのでしょうな。
恋人に、愛馬の手綱を握らせてみたいのでしょうな。
まあ、結果は……想像通りの事が起きまして。
なんでしょうたった1000文字の作品なんですけど、
多分宮本先生の作品の中で一番『リアルでイヤ』な作品だと思います。
読んでて、パニックになりかけました。
ラストは、まあ、
ざまあ。
ご一読を!!