ミステリー×サスペンスな「優しい」物語

主人公が困惑している間に事態が深刻さを増していく序盤の展開で一気に引き込まれました。

そのままホラー寄りのサスペンスとして展開していくかと思いきや、中盤からは人間ドラマの色が濃くなっていき、登場人物たちの思惑の方に焦点が当てられていきます。

この辺りで気づきました。
この物語は「優しい」物語なのだと。

もちろんサスペンスなので緊迫した場面は多いのですが、登場人物たちの善性が物語全体を優しい雰囲気にしているのです。

そして終盤は怒涛の展開!「これぞミステリーの醍醐味」とばかりの予想外の展開の連続には、そこに至るまでの丁寧な人物描写に裏打ちされた説得力がありました。

結末はタグにある通り、文句なしのハッピーエンド。最後まで読んで良かったと思えるお話でした。

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