概要
戦国乱世が終結する頃、妖刀『鬼導丸』はふたたび動き出す。
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- ★★★ Excellent!!!時を越え、魂が呼び合う物語。刃が導く因果は静かに世界を変えていく。
鬼導丸は、歴史の狭間に落ちた一振りの刀を軸に、
時代・魂・記憶・因果が静かに連鎖していく物語です。
戦国、南北朝、幕末、平成──
どの時代も生きる者と死んだ者が交差し、
刀が開く墨絵の世界は、現実と異界の境界を曖昧にしていきます。
カヤトは、人でも鬼でもない何かとして、
時代ごとに違う使命を背負わされながらも、
ただ一つの想いだけは変わらずに物語を貫いていく。
そして、彼と出会う少女たち──
雪乃、幸代、サチ。
彼女たちの存在は、時代を越えて響き合い、
刀に刻まれた名前が、物語の核心へと静かに導いていく。
歴史の大事件は背景に過ぎず、
本当に描かれているのは、
「誰かを想うことが、時…続きを読む - ★★★ Excellent!!!鬼と妖刀の因果が、人の情を刺しにくる
『鬼導丸』は、歴史ものが好きな人にも、伝奇や怪異が好きな人にも、よう刺さる作品やと思います。
ただ戦国を舞台にしたお話というだけやなくて、そこに鬼と妖刀と時代をまたぐ因果が絡んでいて、読み始めた瞬間から、ちょっと不穏で、でも目を離しにくい空気が流れてるんです。
この作品のええところは、設定の派手さだけで押してへんところなんよね。
鬼導丸という名からして、もうなんとも言えん禍々しさと魅力があるんやけど、その刀をめぐる謎や異変の向こうに、ちゃんと人と人の執着や情がある。せやから、「設定がおもしろい」で終わらへんのです。
大きな運命に巻き込まれていく感じと、その中でもどうしても手放されへん相手へ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!刀と涙とユーロビートが混ざり合う、現代と戦国が交錯する狂おしい青春の唄
六本木の街と比叡山の山道が、一瞬にして妖刀と鬼の気配でひっくり返る、そんな歪んだ舞台を生き生きと描枯れております。
主人公が泣き喚きながら走る場面は、もはや現代の女子高生ではなく、時空の裂け目を走り抜ける狂気の旅人のよう。
アナログとデジタル、日常と超常の境界線が絶えず揺れていて、読んでいるこちらの感覚も翻弄されます。
平楽寺でのカヤトの戦闘シーンでは、織田軍と伊賀衆の攻防、忍び刀と妖刀の存在感、そして奈落に落ちる身体感覚の描写が、まるで映画のワンシーンを見ているように鮮明に浮かびます。
その後の妖刀「鬼導丸」との不可思議な関係性、佐平の反応、そして「トンチ」の問いかけは、物語に軽妙なユー…続きを読む