毎回、素材というか。視点が流石と思っている作者様の連載作品が、完結しました。
今回はキャバクラを舞台にした恋物語。
夜の蝶ですから、どれだけエグいことがまているのかと思いきや、そこは安定の作者様。柔らかな文体は定評がありますが、それ以上にヒロインの真っ直ぐさが、本当に眩しい。
なんといえば良いか、良くも悪くもヒロイン・紫乃(しの)ちゃんが、イケメン社長にプロデュースされていくという展開は、少女漫画の王道のようなのですが、揚羽蝶の如く、それこそ思春期から大人の女性に脱皮する様は、本当に鮮やかで。
全力で体当たりをしつつ、垢抜けていくのに本質は変らず。真っ直ぐに、終始行動し続ける姿が胸を打ちます。
色々な作品でテーマとなる「真実の愛」
基本的には盲目で、周囲が見えていない二人の喧噪ですが、この作品では仮初めの体温から脱皮した――それこそ蛹(さなぎ)から蝶に行く過程が描かれていて。
紫乃ちゃんを応援していたつもりだったのに、いつの間にか紫乃ちゃんに背中を押される、そんな感覚に陥る作品です。
恋せよ乙女、突き進めHappy Girl、恋焦しHappy Endへ
恋で心を焦した、その先にあるものは。
諦めずに行動し続けた人にだけ、見える景色がありました。
主人公は、キャバ嬢、紫乃さん。きっと、綺麗で気が強い人なのかもしれません。
ですが、彼女はちょっと不器用でした。彼女は必死になればなるほど、空回り、うまくいかない。
でも、へこたれずにいつも必死に生きようとしています。
その彼女が人生をよりよくしようと頑張る姿がとてもいいです。
思ったことをストレートに言ってしまう点が、誤解を招くのかワーストワンで指名もなし。頑張れば頑張るほど、うまくいかなかったりします。
そんな彼女がイケメン社長からいろいろ教わることになって。
とても読みやすくて元気いっぱいの紫乃さん。
けなげな一面もあり、実はとてもかわいい人です。
ぜひ、ナンバーワンを目指す彼女の仕事ぶりを一緒に応援してほしい。
きっと元気をもらえると思います。
お薦めいたします。