第24話 終わりに都市の発展と衰退、映画「8mile」エミネムとスティービー

デトロイトと言うと、オールドファンは、モータウンだけど、もう少し若い世代には、ラッパーのエミネム。

エミネムとスティービーの話。


映画も観たのに、デトロイト育ちなのに、私の頭から抜けてたエミネム。

下の映像は映画全体を短くした物

何となく映画の内容がわかる。


公開は2002年。

映画はアカデミー賞は取れなかった。

音楽がたくさん使われている。

が、音楽映画と言うより、青春の生きにくい時代、貧しく苦しい環境と闘う少年、青年の物語。

この映画のテーマ曲は、アカデミー賞を受賞『Lose Yourself』代表曲でもある。


30年前のデトロイトがわかる


40代以下の人だと今さら。

が、ラップは好きなほうじゃない私でも、エミネムの曲はなかなかカッコ良い曲はある。

単なるトラックのリズムだけでなく、音楽があると感じる曲。


私は映画はたまたま2年ぐらい前に、配信で子供たちと観た。

映画「8mile」

まあ悲惨。

暴力あり、心にくるところはあった。


制作は20年ぐらい前。

描かれているのは、30年ぐらい前のデトロイト。

暗く辛い若い時代の話で、半自伝的な内容。

皆さんにお勧め出来るか?と言うと難しいかも。

映像も全体的に暗く、陰鬱な雰囲気。

デトロイトの人の苦しい生活を、アメリカの闇の部分を知ってみようかと感じる人には、観て欲しい映画ではある。


ミュージカル映画に分類されているけど、いわゆる普通のミュージカルじゃない。

踊ったりはしない。

いわゆるミュージカル音楽は流れない。

ラップの歌詞は映画の台本=半自伝に沿うように、エミネム自身が書いたりしてる。

ラップの歌詞がセリフ的に、心情や状況を説明してるから、ラップがたくさん鳴るから、分類したらミュージカルになる?


私ごときには、エミネムの高速ラップの英語は、全く聴き取れない。

それでも伝わる物はある。

実際は苦しかった思いや、その時の怒りをラップにしている。

その歌詞や熱量で、音楽の世界で成功した彼だから、リアルに近い感情が伝わってくる。


悲惨な市内の地区で暮らしていたから、友人は裕福な白人ではなく、黒人の貧しい人少年たち。

仲の良いの友人が出来て、お互い応援もしあえた。

映画で彼らは一見、単なるチンピラ集団に見えなくは無い。


が、主人公は皆んなに支えられて、黒人クラブのラップバトルに、フードを被って人種を隠すような形で参戦したり。

友情の物語でもある。


特に仲良が良く、白人のエミネムをブラックの仲間に、認めさせようとしてくれたのが親友。実名はプルーフ。

役名は、フューチャー。


実在の彼は映画公開のすぐ後、2006年に、地元のクラブ内でクラブ関係者だった自分の従兄弟と口論になり、結果銃殺された。


エミネムはブレイクした後も、地元のラッパー友達を大切にしていて、プルーフもメンバーの1人。

D12と言うグループを作り、一緒に活動もしていた。

本人が主人公を演じてるから、なお伝わることもあり。その後の親友の死も、知るとより悲しくなる。


実際には映画よりもっと前の時期、10代始め。

エミネムは若くて身体も小さく、ブラック系しか住んてない地区にいた。

白人の黒人差別は、たくさん観たり聴いたりする。

彼は黒人地区にいた白人だから、白人だから疎外されイジメられて、殴られて半死の目にもあってたようで。

あの感じではラップで成功しなければ、エミネムは今も、元気で生きてたかなぁ…ってなるような厳しい環境。


タイトル8mileの意味


映画のタイトルが、デトロイトのヤバい側と、中産階級の白人の住む安全な郊外を隔ててる道、エイトマイルロードって通りから付けられている。

それは知ってた。

通り沿いに並ぶ店も、怖い感じだったり、よろしくない感じらしく。

映画はこの道路、8mileを超えて北側の裕福な暮らしのために、ラップで何とか成功しようとする青年の話でもある。


エミネム自身は、高校もやめざるを得ず、実際も映画でも働いてたのは、自動車のプレス工場。

まだ自動車メーカーの下請け工場がそれなりにあった時代。

そして白人のラップなんて、ラップじゃない!ラップは黒人じゃなきゃ!って言う、音楽界の差別に実力で抗った話でもある。


デトロイトに行った理由


あの映画の街のあれこれを観てたら、ヤバさは凄く感じた。

日本には無い雰囲気。

今回の旅の前に、調べたり友人に聞いた話では、彼らの住んだ地域は、今も環境はそう改善はされてない様子。


まさかその近くに行く日が来るとは、全く思ってなかったけど。

スティービー・ワンダーのライブを観にデトロイトに行った。

理由は彼の年齢と腎臓移植手術をし、アメリカでもライブツアーは、数年やっていない事実。

イベントに姿を見せて、何曲か歌うはある。が、ツアーは体力的に難しい?


今回突然大統領選挙の終了直前に、新曲とツアーの告知があり。

体調面で、もう来日は難しそう。

ならアメリカで、彼のホームでライブを観ておかなければと。

私は人生の辛い時期に励まされ、胎教にも聴きまくっていたら、子供も大好きに。

彼は自分も音楽を作る道に進んだ。

私たち親子は彼から、たくさんの物を貰った自覚はある。影響もされた。


始まるまで外も中も、この胸に手を当てた、画像がずっと掲示されていた


アメリカ国民じゃないから、選挙に投票は出来ない。

彼が選挙に危機感を、持っていることは察した。

ライブ会場はニューヨークやシカゴなどの大都市は、入っている。

が、主にいわゆるラストベルトと呼ばれる地域が対象。

ビッツバーグから始まり、地元ミシガンでは2ヶ所。

民主党支持の多い、ロスなどは含まれていない。

ニューヨークから東に延びる州。

アトランタだけは少し南で、シカゴがラストで、投票日の直前まで。

ほぼ2日に1回全11ヶ所の、ハードなスケジュール。


ツアーのTシャツは、場所と日程だけが入ってるシンプルな?物。急遽作った感は満載。


ツアーは「皆んなで歌おう」がテーマ。

各地にゆかりのある、同じ時期に活躍した人のカバー曲を歌ったり。

東だとビリー・ジョエルとか。

ブラックもホワイトも、ヒスパニックも一緒に歌って、連帯しようと呼びかける彼の気持ちは、日本人にも伝わった。

「分断は、フィックス(修復)出来るのでは?」と言う、彼の気持ちが溢れたライブだった。


8マイルロードとは


広域の地図には、ちゃんと8マイルロードはあった。

この道路の南からミッドタウンの端、ライブやバスケを観た、アリーナあたりの、ダウンタウンの手前までが危険な地域。

デトロイト周辺の犯罪発生マップは、この辺りに点が集中している。


彼は道路の北側に、行きたかった。

映画はもう20年前。

実際の撮影はデトロイト市内以外の近郊で撮られた部分も、多かったようだけど。

街の様子もそのままじゃない。

が、実在するクラブや、閉まった店も使ってたらしく。

未だに特に市内の北東地域は、犯罪や殺人事件も多発してて。

廃墟のような場所では、家が1💲で売られてたりもする。


そして今でも郊外に住む人たちは、ダウンタウンに行く時には避ける道。

野球やアメフト、ホッケーやバスケ。

メジャースポーツは全部地元チームがあり、ダウンタウンに会場がある。

音楽やイベントをやる、アリーナも劇場もダウンタウン。


北側や近郊に住む人は、イベントに行く時も、なるべくこの道を通らないようにしてるらしく。

今もそれは変わらない。

ハイウェイを使って迂回したり、どうしても通る時は本気の覚悟で、突っ切るような、交差する道を渡る時でも、そんな意識なようで。

この8mileロードは、未だにそんな境界線。


映画撮影の時、若かったエミネムは、色々カッコ良かった。

今や50歳を過ぎ、ちょっと太ったおじさん風な見た目だけど。

この人もグラミー賞もアカデミー賞も、エミー賞まで取ってる。

色々な揉め事や騒ぎはあったけど、成功者。


映画から20年経ち、描かれている彼の若い時代は、その10年以上前だけど、悲惨な暮らしや育ちをしてる人は、まだ世の中にはいっぱいいる。

苦しい人には刺さる映画かも?

が、彼にはラップが、音楽があったから救われた部分があるから、そんな何かを見つけられなくて、苦しい人にはむしろ辛いかも?


今もデトロイトには住んでいる


エミネムは無事8mileを超えて、郊外の特定の人しか入れない、警備員付き高級住宅街の豪邸に、住んでいるみたいだけど。


「デトロイトは、自分の場所だから離れない」って、発言はしてるようで。 

ロスに家を買った情報もあるし、ずっといるのかは不明。


何年か前にはそのセキュリティが高い家に忍び込んで、エミネムを殺す目的の、侵入者がいたらしい。

気づいたら寝てた部屋に、男がいた。

昔の経験もあったのか、相手が特に武器を持たない犯人だったからか、エミネムが穏便に自宅から警備員のところまで、連れて行ったとか。

さすがな度胸!は感じる。


そして今も継続的に、デトロイト市の子供たちなどに、寄付をし支援もしている。

私がライブに行った日には、民主党のハリス候補のデトロイトの集会にも、参加してたよう。


お金が入るたびに「これが最後の収入かも?」って、毎回考えてるらしい。

成功して金銭感覚が、まるで変わってしまう人が多い中、必要な物以外にはお金を使わないと言う考え方は好感が持てる。

豪邸を買ったのも、自分のような暮らしを、娘や養子にさせたくなくて、安全で安心な環境を、優先させたかったのが理由とか。


その娘は優秀で、大学も出て大学で出会った良い男性と結婚。

子供も産まれるらしく、エミネムは私より先に、おじいちゃんになる。


両親や妻には、恵まれなかったけど、娘たちを育てたのは立派。

ネグレクトは、連鎖するって話もある。

が、自分がして貰えなかったことを、子供たちにやってあげられるのは、何よりの贈り物。


アメリカで生きること


今回デトロイトのヤバさは、実感しないままだけど、感じたことはあって。

何よりアメリカで生きていくには、お金がかかる。

今回の旅でUberの料金やら、ハンバーガーの値段を、いちいち書いたのは、コストの高さを感じて欲しいから。


日本だと貧しくても、貧しいなりに暮らす選択肢はある。安売りになってる、50円のうどんで、食事を済ますことも出来る。

治安が良くない地域に住んでも、歩いて帰れないとか、家がしょっちゅう泥棒に入られたりはしない。

銃殺されたりもしない。


安全のコスト負担は誰が?


普段は全く意識しなかったけど、安全にはお金がかかるってことを、考えさせられた。

危ないからUberの良い運転手さんを見つけて、歩ける距離でも乗っていくだけで、かなりお金が必要。

空港の送迎と、アリーナ一回で、合計100💲近い金額。

今回3日目は、アリーナへは行き帰り歩いた。実際、昼間は大丈夫だし、


GUCCIもある。

掠奪されてないから、店はある。

が、お客さんは入ってない。

誰が買うのか?

H &Mでさえ、お客さんはおらず。

1部のメジャーリーガーは、ダウンタウンに住んでるようだけど。

行った時期には所属した、前田健太投手は、チャリで通勤してたらしいから、市内の近くに住んでたようだけど。


思い切って歩いてみた。やっぱり最後、ダウンタウンの川に近づくにつれて、最後の1キロ弱は人が誰もおらず。

人がいなくても、隠れた場所から出てくる、車から銃で発泡されてたら、恐ろしいことになった可能性も、なくはない。


長期で住むなら、安全のためにも、車が必要になってくる。地下鉄やバスのある場所でも料金も高め。

バスもうかうか寝てられない。

ちょっと遠くに行くには飛行機代もかかる。

東京ー大阪ぐらいの距離でも、飛行機代が4万円以上。

家賃はニューヨークなんかの大都市以外だと、日本より安いかも?だけど、安全に暮らそうとしたら、自衛するしかない社会。


日本の税金や、その他の上がり具合や、使い道には私も文句はたくさんあるけど。

が、個人で自衛じゃなくて、税金で治安を守ってくれてる、日本の警察その他の力のありがたみを、アメリカで凄く感じた。


今のアメリカだと、最低限の衣食住に車で、かなり生活するコストが高い。

暮らすには大変な国。

もちろんお給料も稼げる人は、かなり稼げるようで。


知り合いの子供さんは、大学の博士課程の授業料のために、3000万円近いローンを組んだ。

院生だから高いのか?だけど、1年で1000万円って、学費の高さにもビックリだけど。

学生にそんな金額を貸す、銀行にも驚いた。

それを卒業して、3年間で完済したらしくて。

ちょうどこれから伸びる関連の分野で、かなり良い給料の仕事があったらしい。


最低限の生活コストが高いから、お金が無い人、チャンスを掴めなかった人は、ずっと貧しいまま。

記事にも書いたように、ちゃんと読み書きが出来ないと、就ける仕事も決まって低賃金。

負のサイクルの怖さを、垣間見た感じで。


日本もシングルマザー家庭とか、苦しくてそんなサイクルにハマりつつある人もいるのも事実。

私が子供のころには、まだ貧しい家庭もあったけど、希望は見えてた。

戦争で夫を亡くしたような、シングルで苦闘するおばちゃんたちも逞しかった。周りも応援する意味で、彼女らから魚や野菜なんかを買ってた。

負の連鎖は本当に恐ろしい。

次世代に、繋がっていくから。


白人に広めたスティービーと

黒人に認めさせたエミネム


で、奇しくもスティービーとエミネムの2人は、違う側から壁を壊した人でもある。

白人にブラックミュージックを、メインストリームで認めさせて、聴かせて根付かせた象徴はスティービー。

ライブも4割近くは白人。

10代の若い世代の子も来てた。


ライブ前の会場の中。私たちの両隣はブラック。女子たちと1人のおじさん。



エミネムは黒人たちが、世の中に対する不満や、生きることの辛さを表現したラップの世界で、白人だけど今や世界的にも1番認められて成功してる。

白人にもラップが出来るって、証明したかで。

この2人のホームが、どちらもデトロイト。縁なのか不思議を感じる。


人種隔離で居住地域を決められたことや、仕事の内容の差別から起こった、今のデトロイトの都市問題。

市内の人口が減り始めたか?の時期に、引っ越してきたスティービー。

完全に市内が空洞化した時代に産まれて、デトロイトと他の地域を、行ったり来たりして、引っ越しばかりだったエミネム。



2人の共通点と違い


2人の共通点と思われるのが、どちらもシングルマザー状態だったこと。

前にも書いた、デトロイト市内のシングルマザー率の高さから想像はつく。

スティービーの母は、夫の暴力から逃れるために、大都市のデトロイトに来た。詳しくは知らないけど。

スティービーは黒人の上に、ほぼ目が見えないと言うハンデもある。

一方のエミネムの父は、彼が産まれてすぐ、家族を捨てて出て行った。


違うのはスティービーは、母親の愛情を受けて育った。

が、エミネムの母は薬物やアルコールの問題を抱えて、ネグレクト状態。

むしろ、彼が弟の面倒をみながら生きた、ヤングケアラー的だった。


後に母との確執や元妻を歌詞にして、母親から、元妻から名誉毀損で、訴えられたりしてるけど。

彼女らはお金目当て?な感じで、益々エミネムは気の毒な感じではある。


スティービーは母親から多分たくさんの愛情も貰い、幼いころから、音楽の世界で成功した。

エミネムは娘が産まれたことで、この子にオムツも買ってやれない生活から、抜け出すために、絶対に音楽で成功するしかないと考えて、本気で音楽と向き合った。


2人は違う部分も、たくさんあるけど、結果成功した。

で、改めて感じるのは、子育てで大切なのは、何を置いても、やっぱり愛情だとも感じる。


もう一つの共通点


私が個人的にもう一つ共通点と考えているのは、2人はアプローチの方向性は全く違うけど、音楽で世の中を変えようと、考えて行動していること。


スティービーは、70年代にセルフプロデュースを始めた時期以降、度々政治や世の中に対する、メッセージ性のある曲を発表し続けている。

今回のツアーも、多分にそんな意味合いがあるのはよくわかった。

バックの日本人ギタリストとして紹介した、中村陽平さんも、「スティービーは、本気で音楽で世界を変えようと考え、行動している」と、インタビューで答えてもいる。


エミネムは、家族に対する攻撃的な歌詞もあるけど、世の中に対する感情や理不尽に立ち向かう、歌詞や発言を続けている。

私には彼の英語はちゃんと、聴き取れてないけど。

ビッグネームになり、お金を稼ぐと姿勢が変わったり、柔らかくなる人もいるけど、エミネムはエミネムらしく、あまり変わらず、言いたいことを言っている姿勢も、支持されている理由だと感じる。


音楽で世界を変えようとして、若くして病気で亡くなった、ボブ・マーリー。

音楽で本当に世の中を変えられるかは、私にはわからない。


音楽には人を動かす力はあると、感じてはいる。

デトロイトに行っただけで、端っこを覗いただけで、私にこれだけ色々と書かせる何かはある。


デトロイトが産んだ、ミュージシャンたち


デトロイト生まれだと、ダイアナ・ロスとかこれまでに何人かは、紹介した。

野外劇場に名前があるアレサ・フランクリンも、各地を回りながら小さいころから、デトロイトをホームにして来た人。彼女の人生も、色々と壮絶だけど。


周りは駐車場だらけだけど、アートセンターの建物に描かれている巨大なスティービーの壁画。

左横の建物が3階建てぐらい。



ちなみに、スティービー・ワンダーは、既に通りの名前になっていて、表示もされているのは、ちょっと驚いた。

まだ生きているウチに、大きな壁画だけでなく、通りに名前がつくとは…だった。

この調子だと、多分そのうち、エミネムの通りも出現しそう。

他にもスモーキー・ロビンソンや、フォートップスも、デトロイトの人。

白人でもスージー・クワトロとか、グレン・フライ。


最近の人だと、前に紹介したマイク・ポスナーとかもいる。

ラップとかもやる人。白人?

ポスナーは、なかなか面白い感じの人で。

数年前には、何故か徒歩でアメリカ縦断をしてる最中に、ガラガラ蛇に噛まれて、緊急搬送されたとか。

ほんまにアメリカの道端に、ガラガラ蛇がいたんか!ってなったけど。


で、彼はあの坂本龍一の名曲を、サンプリングした曲をリリース。

映画「戦場のメリークリスマス」の『メリークリスマス、Mr.ローレンス』に歌詞が付いてる。


ラップ関係だと、今注目されているのが、

ティー・ディリジリー(Tee Grizzley)。

今後実際に、彼がどう生きるのかはわからない。

が、自分の母親が薬物所持で逮捕されたり、上の年代の人が薬物や暴力、銃などで亡くなっていったのを見てきたから、「自分はそう言うことはしない」と発言しているようで。


エミネムも母親を見ていて、違法薬物とかには手を出さなかったけど、処方されてた睡眠薬の依存性になり、リハビリ施設に入ったりはしている。

周りに色々ある環境だと、意思を持ってても、貫くのはなかなか大変なんだろう。


ちなみに、エミネムの依存性治療の、助けになったのが、エルトン・ジョンらしく。

彼も自分が依存性になったから、他の人を助けたようだけど。

エルトン・ジョンの好感度は、今さらだけど、私の中ではかなり上がった。


今も分断の境界でもある、8mileロード。

国の分断が言われているアメリカで、黒人と白人の違いはあっても、世界を変えよう言う意味では、同じ方向を向いてると感じる、スティービーとエミネム。


ダウンタウンの再開発


比較的安全と言われていた、ダウンタウンあたりしか、今回は行けなかったし、おそらく今後は行く可能性は低い。


ダウンタウンはテコ入れのため、70年代に自動車産業主導で、ルネッサンスセンターなどを整備した。

今回私たちが泊まった場所。

新しいビルを建てただけでは、都市は変わらない。


ルネッサンスセンターの中に、取り残されて建っていた教会。住む人がいないので、おそらく信者はいなくて、朽ちて行くのか?

使われている様子はなかった。


着いた日の夕方には、川沿いのリバーウォークには、小さい子が自転車やキックボードで走り、ベビーカーを押すママも見た。


和やかに見えるリバーウォーク。

対岸はカナダ。道の両端にはパトカーが止まり、警官はじっと見ている。警備してた。



が、昼間の街には人の気配がほぼ無い。

西部劇に出てくるような、荒れ果てたゴーストタウンでは無い。

が、歩いてる人はほぼいない。

現代のゴーストタウンは、こんな感じを実感した。



1番の大通りの中心あたり、車も人もいない



現地近くで長く暮らした人から聞いてはいた。地上を歩いているのは、ホームレスか、葉っぱを吹かしてボンヤリした人ぐらいだと。

実際に、見かけたのもそんな人だけ。


他に見かけたのは、パトカーの前に立って辺りを伺っている警察官と、市の職員か警察官か委託業者かわからない、制服を着たおじさんが何人か。

点灯しない、昔のガス灯のような物の下で、発電機を持って来て、灯を点けて回ってた人。


道路は広く、ゴミも無い。

繁栄した19世紀の名残りのある、古い図書館や劇場は、歴史と美しさがある。

美術館も全米3位の規模。


だけど普通に人が歩いていない。

街は人がいて初めて、活気を感じる物だと再確認した。

羽田に着いたら、人の話し声や立てる物音がうるさく感じたほど。


ピザ長者の施設誘致再開発


90年代にデトロイトに今も世界の本社がある、世界3位のピザチェーンのオーナーが、街の再生に尽力した。

郊外にあった野球場と、フットボール場と、バスケとアイスホッケーのホームで、今回見たライブ会場のアリーナをダウンタウンに誘致した。


アメフトのスタジアム。

隣接する巨大な駐車場と一体になっている。

シーズン前の昼間には誰もいない。



が、ダウンタウンは、ルネッサンスセンターと、アメフト場の間はほぼ駐車場だけ。

一部はお店のある地区もあるし、メインストリート沿いには、新しそうなビルは建ってはいる。

でも、車産業のお膝元で車社会だから、街を歩く人がいたら思わず写真を撮ってしまうぐらい、普通に誰も歩いていない。


飲食店は広くても、客より従業員のほうが多かった。スポーツのシーズンがほぼオフの日だったせいもあるだろうけど。


有名なピザ店兼スポーツバーのような店。

お客さんはこの家族と私たちだけ。



が、ライブのアリーナには2万人を超える人がいて、バスケの開幕戦もほぼ満員で、1万以上の人が集まってくる。

夕方のイベント前は、大通りには人がたくさん歩いていた。



ライブ当日の昼は、誰もいないアリーナの前



彼らはイベント会場と駐車場を往復するだけ。

施設が出来て雇用は生まれた。

一定の割合以上は市内在住者を優先して、雇用する取り組みもあるようだけど、昼間の街はガラガラ。


街は人が住んで生活しないと、街とは呼べないのかも知れない。


教育と貧困


人口減少が始まり、日本の地方では限界集落が増えているのに、コロナ禍で在宅勤務が増えても、変わらず首都圏への人の集中は続いている。


地方や小さな街で、地域のために首都圏を離れた知り合いもいる。

彼らと話すと人材がいないと。

優秀な人、アイデアや行動力のある人ほど戻らない。


デトロイト市内は変わらずで、未だに識字率は低い。

今や簡単だった料理の注文さえ、スマホやタブレット。全て文字情報。


バン屋さんも注文はこんなタブレットのみ



貧しくて文字が読めない人が、豊かなはずのアメリカに、まだいることは驚き。

仕事に必要なレベルの読み書きとは、どのレベルなのか基準はわからないけど、デトロイト市内では、識字率は50%との記載もある。

アメリカは、州や市によって教育内容も違う。

財政破綻したデトロイト市は、教育に資金を回せず、また貧困を再生産しているように見える。


今さらだけど、教育は未來への投資であり、削ってはいけない。

議論すべきことはある。

が、デトロイトを調べ行って、日本で一律で税金負担は正しいのか?とも。

教育関連だけは、困った人には他に流用出来ない形で援助するとか。


日本には8マイルのような境界線は、出来て欲しくない。

バスケの帰りに見た、ブラック男子と小さな白人女子のカップルのように、皆んなで手を繋いで、暮らせるような街になると良いなと。

アリーナでは皆んな和やか。ブラック系もホワイト系も。


いつか何十年、100年とかかかるかも?だけど、8mileロードが融和の象徴の通りになると、その時がデトロイトが再生したと、言える時なのかもしれない。






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アラ還と30歳男子、3泊5日のスティービー・ワンダーのライブだけに、デトロイトに行った3泊5日の旅 @Tokotoka

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