織田信行が行く(再掲載版)
あひるさん
第1章 内紛の芽
第1話
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織田信行は尾張南部を支配する織田信秀の三男で古渡城主として周辺地域に加えて熱田湊と熱田神宮の管理を任されている。
政務を終えた信行が休憩していると熱田神宮の千秋季直が訪ねてきた。
「お休みのところ申し訳ございません」
「遣いを出せば私から出向いたのに」
「熱田では他の目がありますので」
「そういう事なら仕方ないか。用件というのは?」
信行は千秋季直の後ろに控えている商人風の男に視線を向けた。
「この者を御用商人に取り立てて頂ければ。
信行が推薦状を確認すると、『頼まれていた件はこの者が適任と思われます』と記されていた。
「貴殿の名は?」
「千賀地保俊と申します」
「千賀地家といえば服部党に連なる者だね」
「その通りです。本来なら服部保俊と名乗っているところですが…」
千賀地家は伊賀に本拠を構えていた豪族で忍びを生業としていた。足利家に誘われて京都へ移住した際に現在の服部姓に改めた。
「決断に至った理由は?」
「松平竹千代に愛想が尽きました」
尾張から帰還した松平竹千代は今川義元と松平広忠で取り交わした約定に基づき駿府で暮らしていた。先年松平広忠が病没した際に今川義元から三河帰還を打診された。
本来であれば先祖代々の土地である三河に帰還するのが筋である。しかし松平竹千代は三河へ戻る理由が見い出せないと言って断りを入れた。
旧松平家臣内で波紋が広がったものの松平竹千代の決断に従うしかないと反対しなかった。しかし服部保俊だけは納得出来ないと食い下がった。
一枚岩を誇る松平家臣の結束が揺らぐと判断した服部党頭領の服部保長から追放処分を下されて三河を追い出された。
追放と共に服部姓も名乗れなくなったので千賀地姓を名乗り捲土重来を期す為に尾張へ向かった。
「なるほど。私も松平竹千代とは幾度となく顔を合わせて話もしたけどね。手を組みたいとは思わなかったよ」
「織田信長様は実弟のように接しておられたと聞いておりましたが」
「ああ見えて兄上は人が良いからね。竹千代の境遇を憐れんだ可能性が高いんじゃないかな。まあ竹千代の才器に気付いた可能性も否定出来ないけどね」
千賀地保俊は織田が松平と手を組むのか敵対するのか判断しかねた。信長と信行が真反対の態度を取っている事が原因である。
「兄上には時期を見て松平との共闘を諦めるよう進言する。それ以前に父上が敵対関係にある今川義元と手を組まない限り松平と共闘する事は有り得ないよ」
信秀は三河を手に入れる為に幾度となく松平や今川と戦を繰り広げており、今も虎視眈々と狙っている。そのような状況下で和解などあり得なかった
「因みに服部党とは事を構える可能性が高いけど大丈夫かい?」
「親兄弟であっても敵ならば容赦致しません」
信行は千賀地保俊の言葉に相応の覚悟が秘められていると判断した。
「千賀地殿さえ良ければ私の直臣として召し抱えたい」
「ありがとうございます」
千賀地保俊と行動を共にして服部党を飛び出した者も居たので、信行は直臣として全員を召し抱えた上で千賀地保俊を纏め役に据えた。
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『家臣の日記』
某月某日 信行様は古渡城にて千秋季直殿の仲介で三河忍の千賀地保俊殿と対面。織田家臣として召し抱えられた。
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織田信行が行く(再掲載版) あひるさん @GE-AHIRU
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