最後の

雨笠 心音

最後の

 これが最後の投稿になると思う。

 書きたいものはなく、書きたい気持ちが先行していて、消化器官が訴えた僅かな吐き気をそのままここに出してしまう。

 はなから、私にとってここはそういう場所だった。

 いい作品を読者の皆様に届けたい、という類の信念はほとんどなかった。というよりも、次第に消えていった。ただただ、淋しく、辛く、退屈な日を耐えるために、駄文を撒き散らした。

 見てほしかった。わかってほしかった。

 これが小説の本来の姿なのかもしれない。ふと思う。

 筆者は社会に理解されないであろう狂気を希釈し、理解してもらえるかもしれないという微かな期待を持って、作品を送り出す。

 読者もまた社会に理解されないであろう狂気をその中に発見し、理解してもらえたような気になる。

 だから何だというのだ。

 何も現状は変わりはしない。

 でも、開くだけで、それだけで、世界が少し優しくなる。傘みたいに。

 私の吐瀉物は誰かの傘に成れただろうか。

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最後の 雨笠 心音 @tyoudoiioyu

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