顔のない男

@kawakawatoshitoshi

第1話

エレベーターは上昇している。

降りるのは何階だっけ?

僕は行く先の階のボタンを押す。

そしてドアが開く。

ひどく長い廊下が続いている。

(こんなに長かったっけ?)

僕はまっすぐ歩きながら思う。

壁に黒いシミがある。

僕はそのシミに触れる。

すると真っ白だった廊下の壁一面、

黒く変色した。

蛍光灯の明かりはついてはいるが、

ひどく暗くなってしまった。

1番奥にドアがある。

僕はノックする。

ドアが開く。

そこには誰もいない。

部屋の奥に机がある。

壁にはシュールレアリスティックな絵が飾られている。

僕は部屋に入る。

すると勝手にドアが閉まった。

後ろを振りかえり、

また机に視線を戻すと、

顔のない男が座っていた。

「どうぞ、お座り下さい。」

と、男が言った。

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