第3話
「そ、ソラ……お前、もしかして他のこともできるのか?」
へし折れた大木を前に、俺は恐る恐る尋ねた。ソラは「えっへん」と胸を張ったまま、こくりと頷く。
「はい、ご主人様。ご主人様をお守りするためなら」
そう言うと、ソラは自分のぷにぷにとした頬を、指でつん、とつついた。
「わたくしの体は、ご主人様を守る盾にもなります」
「盾?」
「はい。……ふんっ!」
ソラが軽く気合を入れると、彼女の透き通るような青い肌が、一瞬だけ金属質な光沢を放った。試しに指で軽く突いてみると、カチン、と硬い音がする。まるで鋼鉄のようだ。
「す、すげえ……! 攻撃だけじゃなくて、防御もできるのか!」
「はい、ご主人様のおかげです」
ソラはにこーっと、花が咲くように笑う。
(攻撃はSランク魔法使い級、防御は鋼鉄並み……。しかもこんなに可愛くて、俺に絶対服従……。これ、もう夢だろ。俺、本当はあのスライムに食われて、今ごろ幸せな夢でも見てるんじゃないか……?)
俺は自分の頬を思いっきりつねった。
「いってぇ! ……夢じゃ、ない!」
現実だ。この、あまりにも都合の良すぎる幸運は、紛れもない現実なのだ。
「よし!」
俺はパン、と両手を打ち鳴らした。絶望の淵にいた数時間前とは違い、今は全身に活力がみなぎっている。
「まずはこの森を抜けて、近くの街に行こう。金も装備も何もないからな。冒険者ギルドに行って、金を稼がないと」
「はい、ご主人様! どこへでもお供します!」
ソラがぶんぶんと腕を振って、俺の腕に絡みついてくる。ひんやりとして柔らかい感触が、またしても俺の理性を削りにかかる。
「そ、それでだな、ソラ」
俺は意を決して、一番の問題を切り出した。
「その……お前のその服なんだが……」
「はい。この服、ご主人様のお好みではなかったでしょうか……?」
ソラはしゅん、と悲しそうな顔で自分自身の姿を見下ろす。半透明の青い服は、彼女の美しい体のラインをほとんど隠していない。むしろ、強調していると言ってもいい。
(好みじゃないかって? ドストライクに決まってるだろ! 一生そのままでいてほしいくらいだ! でも、そんなことしたら俺が社会的に死ぬ!)
「い、いや! 嫌いとかそういうわけじゃ断じてない! むしろ、その、すごく……似合ってるんだが……!」
「本当ですか!?」
「ああ! だが、街の中をその格好で歩くのは、ちょっとまずいんだ。色々と……な?」
俺がしどろもどろに説明すると、ソラは不思議そうに首をかしげた。
「そうなのですか……? 人間というのは、難しいのですね」
「そ、そうなんだ。人間は色々とな、面倒なんだよ。だから、まずは街でちゃんとした服を買ってやるから」
「ご主人様が選んでくださるのですか?」
「ああ、もちろんそうだ」
(俺がソラに服を……? どんな服がいい? 清楚なワンピースか? それとも活発な冒険者服か? いや、待て、これはとんでもなく楽しいイベントじゃないか!?)
俺の頭の中は、一瞬でソラの着せ替え妄想でいっぱいになった。
「分かりました。ご主人様がそうおっしゃるなら」
ソラは素直に頷いてくれた。本当にいい子だ。
「よし、決まりだな! 俺の名前はユウキだ。これからよろしくな、ソラ」
「ユウキ様……。はい、ユウキ様! これからずっと、ソラはユウキ様のお傍にいますね!」
俺たちはそうして、夜の森を歩き始めた。目指すは、ここから一番近い冒険者の街、『アークライト』だ。
アレスたちに追放された時は、人生の終わりだと思った。
だが、今は違う。隣には、とんでもなく強くて可愛いパートナーがいる。
これから始まる新しい冒険に、俺の心は高鳴っていた。もちろん、隣を歩くソラの半透明な服から目が離せない、という別の意味のドキドキも一緒だったが。
無能スキル【魅了】でSランクパーティを追放された俺、実は魔物や亜人を虜にする最強スキルだったので、可愛い魔物っ娘ハーレムで成り上がる @123te
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