私、レビューは苦手なんですが、この作品はかなり好きなので書いてみます。
そもそも、新しい話が更新される度に、自ら進んで読むことはほぼしないのに、必ず読みに来てしまいます。
世界観がみっちり詰まっているし、出てくる人間の一人一人に温度と人生?を感じる。
主人公の穂鷹は、強くて真っ直ぐで素直で可愛い。彼はまだ秘密がいっぱいなので、この先の成長が楽しみです。
ちなみに私は、世話焼きな秋月と、口下手な護穀が好きです。
とってつけた登場じゃなくて、皆、そこにちゃんと体温を持って存在しているんです。
一言一言が、大切に紡ぎ出されていて、無駄がないので、現実的な非現実に浸れますよ。
濃厚な和風お米ファンタジー!
お話の世界にじっくり浸りたい人に、特におすすめします。
あー、続きが楽しみだ(*´꒳`*)
小説の内容や文体が、読書する者の五感を刺激する。
登場人物たちが感じているであろう感覚を共有させてくれるのが凄い。
また空気感として、ほの暗さや、べっちょりとした水気を感じる。
まるで黄泉国のようにも思えるが、そこに豊穣の象徴たる米がある、獣で、危険な存在だけれど。
何を伝えたいのかと言うと、本作品は雰囲気が最高ということだ。
独自の世界観をしっかりと読者に伝えてくれる出来であり、内容になってもいる。
テンプレは嫌いだ~。
と普段から述べられている方、これを読まずフォローせずでは勿体ない。
是非、読んで、フォローして、応援して、★を贈ろう。
一応、ダークな感じのあるファンタジー小説ではあるので、苦手な方は其処だけ注意だ。
破壊と豊穣をもたらす米の獣という発想力。
キャラクターたちのネーミングセンス。
洗練された言葉の躍動感。
そこに生きる少年・少女たち、大人たちのリアルな苦悩。
確かに呼吸を感じられるような深い洞察からくる描写力。
読むほどにアニメーションのように想像が膨らみます。
他の方のレビューにもありましたが、
何度も読む度に味を感じる。
嗚呼、文章で米を食べているんだなと感じます。
・・・お腹は膨れませんが。
主人公の穂鷹がね。本当にいい子なんですよ。
苦労が多い人生なのに、擦れなかったのは
家族の影響であると、暗に理解できます。
第四支部の拠点に到着した時なんかは
その素直さが際立ちます。(都会にだまされる田舎者という意味で)
国家の陰謀も垣間見えて、テンポ良く読み進められます。
刈人隊で色々な性格のキャラクターが登場します。
勝気な少女、面倒見の良い先輩。
穂鷹を嫌疑的な目で見る周囲。
赤喰いと罵る嫌味な人たち。
あなたの推しは、誰ですか?
巨大な稲の獣を狩り、その米を糧に生きるという独創的な世界観――それだけでも十分ユニークなのに、「赤米=猛毒な赤穂成」「銀米=神聖な銀穂成」という対になる存在を中心に、生態・社会構造・格差・価値観が構成されており心を掴まれました。
また、この設定が物語と噛み合っているのが素晴らしいです。
貴重な銀米が国家直属の【刈人隊】に独占され、都市部にのみ恩恵が集中し、辺境が飢えにさらされる構造は、ただの背景ではなく、登場人物たちの人生そのものに影響を及ぼしています。
世界観が雰囲気ではなく物語そのものを動かしている為、読む側は直ぐに世界観に没入できます。
第一部時点で、国家内部の陰謀【赫穂成】・【金穂成】の存在、失踪した英雄の行方、そして主人公・穂鷹自身の力の意味。「少年は何を刈り、何を守るのか」という問いの答えへ向けて、物語が面白くなっていく予感しかしません。
和風ダークファンタジー、バトル、政治劇、親子の宿命、組織ドラマのどれか一つでも好きな方にはおすすめできる作品です。
一部の最後まで読ませていただいたので、レビューする事にしました。
先ず皆さんに伝えたいのは、この作品を読みましょう。100%後悔しません。
簡単に内容を伝えると、米の獣を少年が倒すダークファンタジーなのですが、表現力が凄い。
一行読むたびに、こんな表現の仕方があるのかと感嘆します。
何と言うか、その一行の文章を生み出すのに何度も熟考を重ね、書き出したのだなと私は思いました。
腰を据えてじっくり読む程に味が出る。
同じ話を何度も読み返して、登場人物の心境を想像するのが楽しい。
その場所の匂いや温度を感じられる表現力の数々。
私の好きな一文。
"その姿を見送りながら、両手で顔を覆って掌の中でこもった叫び声を上げる。"
これですね。
やるせない気持ちを大々的に出せず、あくまでも内に留めて置きたいが、我慢できずに掌の中で叫び発散してしまう。
そんなシーンの一部ですが、分かりますか?
この表現のセクシーさ。
作者の小説に真摯に向き合う姿勢が見えてきます。
この文だけじゃないです。
このレベルがずっと続くのです。
第一部を見終わった頃にはファンになっていると確信しております。
後、銀の米を食べたくなります。
そんな唯一無二の作品です。
最後まで読み終えてからレビューするつもりだったのですが、嬉しいことにかなりの長編になりそうだし、第1部完(23話)でキリが良いので、いったん書きます。
序盤の印象を乱暴に表現すると、『もののけ姫』と『鬼滅の刃』を足して2で割り、そこにお米を加えた感じ(!?)というものでした。稲が敵の形状や生態のモチーフになっている点がまず面白いのですが、それが奇抜なワンアイデアではなく、しっかりした知識に基づいてデザインされているところが素晴らしく、興味深い。その稲獣たちに立ち向かう国家直属の精鋭部隊『刈人隊』の規則、隊服、その生地に至るまで、世界観が丁寧に構築されています。
そうした土台の上に王道の安定感があるアクション活劇が展開されていくのですが、語り手である作者さんの筆力がとても高い。冒頭2行を読むだけで、映像描写の精度と詩情に満ちた視点を感じ取れるはず。
『谷は焼け崩れ、斜面には刈人たちの亡骸が累々と転がっていた。川面には息絶えた者たちの影が無数に漂い、枝に引っかかった死体が吊るされるように揺れている。』(プロローグ)
また、特筆すべきはアクションシーン。
動作と反応を仔細に捉えているだけでなく、痺れるほどカッコいい。
『稲波は両手を交差させ、二振りを重ねて首を挟み、そのまま素早く外へと裂いた。首は胴を離れ、鈍い音を残して落ちる。間を置かず、両の首の付け根へ刃を沈めると、巨体は前のめりに沈み、稲の脚が膝を折って地を受けた。』(11話)
アニメにしたら、ものすごく『映える』はず。
ただ、僕は良い物語というものは決して映像作品の「部品」ではなく、それ自体が独自の映像を持っていると思っていて。この作品が大手スタジオによって超絶スペクタクル映像になったとしても、文字で読んだときに脳裏に浮かんだ光景の方がリッチかもしれません。この物語には、そういう豊かさがあります。
また、僕が感嘆したのは食事のシーン。
『木の器に粟と稗を軽くよそい、湯を注いでから刻んだ大根葉でかさを増やす。』(2話)
食事を支度する一文に、生活の苦しさやそれに対応する日々の工夫まで盛り込まれているのです。これは、作者さんの頭の中に物語世界や人物の明確なイメージがあり、考えて書くというより観察するように描いているからではないかと感じました。
と、ここまで世界観や文章について触れてきましたが。
単純に、話が面白いんですよね。
登場人物の心の動きを丁寧に追ってくれるし、刈人隊が登場してからは一気に場が華やかになって。無線的なものを使って刈人たちが稲獣へと殺到するシーン、強者感をもりもり出してくる新キャラたち、鳥肌が立つくらいテンションが上がりました。14話『食堂のふたり』みたいに、ちょっと息抜きのパートも人物が生き生きしていて楽しいです。個人的に、こういう回をもっとちょうだい! と思います。葉鳥さんはヒロイン枠に入ってくるのだろうか(俗な意見)。
第1部で一番好きなのは、主人公の姉である鈴芽さんが刈人たちと邂逅し、傘と草履を代理で売ってもらうエピソード。些細なことで尊厳が踏みにじられて鈴芽さんが内心で懊悩する姿が……こう……グッとくる! 幸せになって欲しい!!
まだ第1部、ここからさらに面白さが加速していくと思いますので、続きを読むのが楽しみです。未読の方がいらしたら、ぜひ。
最後に。作者さんの本業(?)を反映してか、ゲーム的な要素が散りばめられているのも見逃せません。人類の脅威に立ち向かう刈人隊という組織、稲獣の出現時間や形状(十二支モチーフ)の設定など、そのままシミュレーションゲームにできそうな造り。赤穂成がイベントで同時多発発生して、SSRの隊士が足りなくなって、モブ刈人まで使って拠点防衛戦とかをやるんだ、きっと……。