第6話 御牧 ー上ー (書き下ろし)
住処の納屋を出発して二日目の昼過ぎ。二人は信州佐久地方のとある御牧に到着した。
「あと、もう少しだ。この坂を登り切れば、草原が広がる。」
孝政の言葉にキョウスケは上がる息を抑えつつ、笑顔で頷いた。最後の坂道だと言われて登り始めたこの坂は、これまで超えてきた幾つもの坂の中で一番急だった。
坂の中腹までくると、すでに何も言えないほど、キョウスケの息苦しさが増していた。一歩一歩、踏み出すたびに、流れ落ちる汗の量も呼吸の乱れも増していく。
高原だけあり、木々を渡る風は新緑の香りを纏い涼やかだ。しかし、ここまで起伏の激しい道を進んできた身には、ほんの少しの慰め程度にしか感じられなかった。
——あと少しか……
無言で必死に足を動かし、なんとか坂の上まで行くと、景色を見るよりも先に、両膝に手をついて頭を項垂れた。顔を上げることすらできず、しばらくその姿勢のまま荒い呼吸を繰り返した。
その隣で孝政は呼吸が乱れることなく、両手を組んで天に向け、一つ大きく伸びをした。そして、愛しいものを見るように目を細め、ゆっくりと眼前に広がる景色を見渡した。
——本当に、美しい人だ……
呼吸を整えながら、横目でチラッと盗み見してキョウスケは心の中で呟いた。金色の朝日に照らされ、薪割りに勤しんで汗を流す姿は神々しさすら漂うが、初夏の正午を少し回った、白金色の光の中で穏やかに目を細める姿もまた、如来のような風体だ——。
だが、このような話を孝政にするたびに「それは、お前の幻想だ。」と言って彼は苦笑いするのだった。
「そう見えるほどに私を尊敬してくれているのは、この上なく嬉しい。だが、それはお前だけの感覚だ。他には言わなくていいことだから、胸にしまっておいてくれ。」
キョウスケはつい先日注意された通り、沈黙したまま孝政の姿をしっかりと目に焼き付け、胸に刻み込んだ——。
しかし、気づかれぬようにこっそりと見ているつもりなのは、キョウスケだけだ。孝政は少し前からキョウスケの強い視線を受け、いつものように凝視されていることに気づいていた。照れ臭さで彼と目を合わせることができず、気付かぬふりをすることに決めた。
「キョウスケ、見てみろ!天女が空から舞い降りる風景とは正にこのことよ。」
頭の上から声が降ってきた。孝政に促されるまま、キョウスケは目の前に顔を向け、思わず感嘆の声を漏らした。
雲の切れ間から差し込む、幾重にも折り重なる光の筋が、広大な放牧地帯を照らし出していた。
降り注ぐ光を艶やかに弾ませ、青々とした夏草が風に揺れる。その中で何頭もの馬が放牧され、草を食んでいた。それはまるで、天の牧場のようにキョウスケの目には映った。
「これが父さんの秘密の極楽!?」
「ああ、そうだな……だが私は『秘密の場所』と言った気がするのだが……」
孝政は少し恥ずかしそうな笑みを浮かべた。キョウスケは「そうだっけ?」と言って目を丸くする。目の前に広がる雄大な新天地を目にした途端、キョウスケの頭の中で『場所』が『極楽』に勝手に置き換わっていた——。
二日前の早朝、孝政は突然、しばらく納屋を空けようと言い出した。引っ越したり旅に出るのか尋ねると「旅というほど各地を巡らぬし、引っ越しでもないな。」という曖昧な答えだった。
「私の秘密の場所をお前に見て欲しくてな。ちょうど時期も時期……それに、年に一度は顔を出さねば皆も心配するだろうし……」
曖昧な説明で、外出の目的はほぼ分からなかったが、二つ返事でキョウスケは賛同した。孝政がどのような人たちと知り合いなのか興味があった。
孝政とは不思議な人だ。浪人は孤独だとする一般的な考えからは大きく外れた人だった。本人は孤独な浪人だと常々言っている。だがキョウスケには、ただの孤独な人物には見えなかった。
宿場町にせよ、近隣の村々にせよ、キョウスケが出会った人々は皆、孝政を慕い、気にかけていた。住む場所を選べるのではと思うほど、彼を歓迎し、尊敬の眼差しで見ている者も少なくはなかった。
それでも、どこかの町や村に住まうことを彼が望むことはなく、勧められても受けることはなかった。
孝政は分け隔てなく誰とでも付き合え、話せる人だが、深入りすることは避けているようにキョウスケの目には映っていた。皆に囲まれ慕われて、時に助けられ、孝政は彼らに感謝はしていた。しかし、彼らの好意に甘えようとする姿勢は全くなかった。
キョウスケには、彼が孤独を望んでいるようにも見えた。だが、住みたいと思えるほど好きな場所がないようにも見える。もしかしたら、他の場所に住まうことを考えられぬほど、己の故郷を大切に思っているということなのかもしれない。
いずれにせよ、藩のことは知らないが、孝政に出会ってからふた月あまりの間、彼に特別な場所があるとは思えなかった。だが、その孝政が、彼にとって特別な場所にキョウスケを連れていくという。
突然で驚いたが、孝政に大切な場所があると知り、なぜかキョウスケは、ほっと胸を撫で下ろした。その場所を是非見たかった。この機会を逃す手はない——。
「キョウスケ!早く来い!」
そう言うと、孝政は足早に草原に向かって歩き出した。キョウスケは目を見開いた。呼吸はようやく整い始めたが、膝がガクガクとしている。一方、孝政には呼吸の乱れが見られぬ上、歩き方を見る限り、足腰に疲れはないようだ。
孝政は以前、四十路に差し掛かると言っていた。しかし、その体力は二十代の若者を思わせる。特に今日の孝政は、まるで童心が歩いているようにすら見える。その声は明るく、表情は生気に満ち溢れていた。
「父さん、待って!!」
キョウスケは力の入らぬ膝を庇い、足元に視線を落としながら、草原に続く緩やかな下り坂に踏み出した。必死に両足を交互に出すことを意識しながら進むが、芯が抜けたような足ではなかなか前に進まない。
自分の体と必死に戦いながら前に進んでいると、不意に「おーい!!」と遠くで呼ぶ声が聞こえた。
孝政の声であることに間違いないが、やけに遠くで聞こえる気がする。距離が離れてしまったのだろうか——。不安になり、ふと顔を上げると、声の大きさから想像したよりも近い位置にいる孝政の背中が見えた。
彼は放牧地に設置されている柵に両手をかけて草原に向かって誰かを呼んでいるようだった。もう一度「おーい!!」という声が聞こえた。やはり、呼びかけているのは、草原の方角だ。
だが、キョウスケの視界に入るのは、放牧されている馬ばかり。人らしき姿はどこにも見えない。
——何かが始まりそう!
キョウスケの胸が高鳴った。ガクガクする足を必死に早く動かし、できる限りの速さで駆け出した。しかし、焦る気持ちに足が追いつかず、右足が小石を踏み外した瞬間、体は風に攫われるように宙を舞った。
——まずい!!
怪我をせぬよう、必死に丸まると、前方に転がり、柵に背を打ちつけて止まった。衝撃から程なくして痛みが全身に広がっていく。苦痛に顔を歪める同時に、孝政の心配する声が頭上から聞こえてきた。
「だ、だいじょ……」と答えかけたところで、突如、生暖かい空気が二回顔に吹き付けられた。草をちぎったような匂いが辺りに漂う。何が起きているのか——キョウスケは恐る恐る、ゆっくりと瞼を開けたが、途中まで開いたところで、すぐに目を見開いた。
大きな穴が四つ、目の前に現れ、ヒクヒクと動いている。心配そうに眉根を寄せた、逆さまの孝政の顔もそっと視界に現れた。
「
涼風、玉響と呼ばれた二頭の馬は、静かに後ずさる。何が起きているのか理解できず、瞬きすら忘れているキョウスケの近くに跪くと、孝政はキョウスケをすっと抱き上げ、静かにその場に座らせた。
「どこか、痛むところはあるか?」
痛みよりも恥ずかしさの方が強く、キョウスケは頭に手を添えて、照れ臭そうに笑みを浮かべた。
「ぶつかった時に痛かっただけ。怪我はしてないと思う。」
孝政が安堵の表情を浮かべると、確認するかのように、再び二頭がキョウスケの前に顔を出した。匂いを確かめているのか、様子をうかがっているのか——。不思議と恐怖はない。だが、キョウスケは馬と触れ合ったことがなかった。どう接したらいいのか、全く想像もできない。どのように接するべきか考えているうちに、彼らは孝政の方に顔を向けた。
「私の息子、キョウスケだ。突然転げてきたから心配してくれたのだろ?涼風も玉響もいい子だ。」
そう言って、孝政は二頭の頬を交互に軽く叩いて目尻を下げた。次第に二頭が力強く孝政に頭を押し付けると、彼は立ち上がり、腕で抱えるようにしながら撫でたり額を擦ったり——。
「わかったわかった。久々に走りたいな。キョウスケも一緒に乗っていいか?」
そんな風に声を掛けながら、しばし孝政と二頭が戯れていると、他の馬も数頭寄ってきて、孝政を歓迎するかのように頭を出して、撫でろと催促するように前足を掻いた。その時——
「やっぱりそうだ!孝政さまー!」
遠くから孝政を呼ぶ声が聞こえる。声のする方にキョウスケが顔を向けると、若い男が馬に乗りこちらに駆け寄ってきた。
「何頭も同時に同じ方向に向かって歩き出したから、すぐわかりましたよ!」
話しながら近づいてきた男は、キョウスケと自己紹介を交わし、栄太と名乗った。
馬が同時に同じ方向に向かって動き出したら、なぜ孝政が来たと思うのか——キョウスケの疑問に孝政よりも先に口を開いたのは、栄太だった。
「ここに近寄ってきた馬たちは、孝政様が仕込みをした馬や、生まれる時に取り上げていただいた馬たちなんだ。皆、孝政様に会えるのを楽しみにしててね。もちろん、俺らも楽しみにしているけど。」
孝政は少し照れくさそうに、苦笑いを浮かべた。彼は自分を持ち上げるような言葉をかけられるのをあまり好まない。だが、今日の苦笑いはいつもと違うようだった。
普段は、笑みの中に困惑や謙遜の色を強く感じるが、今日は照れくさいが嬉しそうに言葉を受け入れる、信頼関係のようなものが滲んだ笑みのようだった。
再会の会話をしばし孝政と交わした後、「そうだ!」と言って一瞬栄太の動きが止まる。何かを思い出したようだった。「どうした?」という孝政の問いかけに栄太は満面の笑みで応えた。
「本当に、いつも、神のようです。」
「なんだ?急に。」
「人手が足りない時に来ていただけて本当に助かります。」
「ならば、良かった。私は何をしたらいい?」
「ええと、今抱えている案件は……臨月を迎えた馬が二頭います。仕込みに手を焼いている気難しいのが一頭、月末に引き渡す予定の仕上げ待ちが四頭、毛の生え変わる時期ってこともあって、何十頭も手入れするのも大変で……」
栄太は遠慮することなく、頼みたい仕事を口にしていく。どの仕事をしますかとでも言いたげに、今抱えている案件を次々に並べていった。
孝政は栄太の話の途中から困惑したように眉根を寄せていたが、頬は緩んだままだった。
孝政がいつになく楽しそうだ。キョウスケも笑顔になった。何も気を遣わず、身内のように接してくる栄太のような雰囲気を孝政は信頼しているのかもしれない。
「まあ、いい。できるだけやる。」
「頼もしい!」
栄太は目を輝かせ「孝政様がいらっしゃれば百人力です!馬たちも喜びます!」と息を弾ませた。
孝政がここを訪れる時にはいつも、村長の家の離れに身を置くことになっているらしく、今回もそこに案内されることになった。
キョウスケたちのいる場所はちょうど放牧地を挟み村の反対側。ここから歩けば半刻はかかる。最初近寄ってきた、体が大きな方の雄馬、玉響に孝政とキョウスケが乗っていくことになった。
「申し訳ない、孝政様。手綱は持ってきましたが、鞍は持ってきていないです。ご子息も一緒と知らなかったので、いつも通りでいいのかと思ってしまって……」
「いいのだ。私の腕の間に居れば、落ちることはないだろう。」
キョウスケには二人の間で何を話されているのかわからなかった。
「いつも通り?」
キョウスケの疑問に孝政は「ああ」と言って優しく頬を緩めた。すると、栄太が朗らかに笑って「孝政様は鞍がなくても乗れるんだ。」と言いながら、手綱を玉響にくくりつけた。
「これでよし。では、行きますか?」
「ああ。ではまずキョウスケを乗せるから、栄太、玉響が動かないように頼む。」
二人に手伝ってもらい、キョウスケは玉響の背中に跨った。孝政に肩車されるよりも高い。膝の間に挟んでいる玉響の温もりが足全体に伝わった。
言われた通り玉響の首に両手をついて自分の体を固定すると、すぐに孝政がキョウスケの後ろに跨った。そして、キョウスケが両腕の間に来るように手綱を掴むと、横から滑り落ちることがないよう、両肘を彼の脇に添えた。
「キョウスケが慣れるまで、並足で行こう。」
栄太が静かに頷くと、二頭は並んで出発した。最初乗ったときにはそれほど難しさは感じなかったが、動き出すと体をまっすぐに保つのが難しい。玉響の背を挟むキョウスケの両足には自ずと力が入っていく。突っ張っている両腕は指の先にまで力が入っていた。
「キョウスケ、体の力を抜いて、私に寄りかかっていい。」
「寄りかかるの?」
「ああ。あと、手綱を握ってかまわぬ。玉響への指示は私が出すが、たわんでいるところを握る分には問題ない。」
キョウスケは真剣な眼差しで一点を見つめたまま静かに頷くと、言われた通り孝政に寄りかかり手綱を握った。背中に孝政の温もりを感じると、少し体の力が抜けたようだった。キョウスケは思わず一つ息を吐く。
「そうだ。その調子……馬の動きを全身に感じて、感覚を掴めば、お前ならすぐに乗りこなせるようになる。」
「本当?」
「ああ。体を動かすのが得意だろ?」
キョウスケは一瞬孝政を笑顔で見上げ「うん!」と少し誇らしげに答えてから、すぐに顔を戻した。
尊敬している孝政に『お前なら、すぐに乗れるようになる』と言われたのが、『信じている』と言われているようで胸が踊る。不思議と先ほどよりも体から力が抜けていった。キョウスケはしっかりと孝政に寄りかかり、己の体に玉響の動きを覚え込ませようと意識を集中した。
「ところで、栄太。その後、私を訪ねる動きはどうなった?」
キョウスケは揺れを感じながら耳をそばだてた。誰かが孝政を探しているということだろうか。そんなことはないと思えど、孝政が自分の元から去ってしまうのではないかという不安が隙間風のように心の中に吹き込んだ。
「以前来られた時から一年近く経っておりますが、その間に数回、孝政様を探す動きがあったようです。詳しくは村長から話があるかと……」
訪ねてきた人間は五人。そのうちの三人は一緒にこの村を数回訪れ、その度に、孝政が村にやってきたかどうかを知りたがったという。
彼らは身分を明かすことはなかったが、うち一人は明らかに格式の高い武士だった。何度も探しに来たことから、なんとしても見つけ出そうと躍起になっているようだったと栄太が当時を振り返る。
これまでも、孝政を探しに来る動きはあった。おそらく同じ藩から来ていると思われるが、今回の面々はこれまでと違ったという。
これまでは『来たことはあるが、だいぶ前で、いつだったか忘れた』と曖昧に答えていた。だが、この一年の間に訪れたその者は、明らかに身分の高い人物だったため、何も持たせずに帰すわけにはいかないと村長は考え、村民を意図的に接触させた。
「浪人になられてから数回訪れているが、ここ二年ほどは見かけておりませぬと答えました。」
「栄太が答えたのか?」
「いえ、最初にそう答えたのは俺じゃなく、良作です。もちろん、皆で口裏を揃えていますが……」
「さすがだな。ありがたい。負担をかけてすまない。」
「いいのです。我らは、よそ者……いや、それだけじゃない。この藩の領主よりも、孝政様なんで。」
孝政は「それは言いすぎだ……」と言って苦笑いをした。だがすぐに、不敵な笑みを口元に浮かべた。
「……ところで、後の二人は、その領主と側用人か?」
「はい!お察しの通り。こちらは血眼になって探すというよりは、一縷の望みをかけてという感じでした……どうやら、領地内のすべての御牧を回っているようで……」
「……あの者が知れば、ただじゃ済まぬ……まさかと思うが……」
「もちろん、言っておりません!」
二人は喉の奥から込み上げる笑い声を立てて笑い合った。
キョウスケは玉響の動きを己の身に刻みながら、二人の会話を聞いていた。二人がとても仲が良いこと。村全体が孝政を慕い、大切にしていることはよくわかった。
孝政が彼らを信頼していることも表情、態度、言葉尻から伝わってくる。今まで見たこともないほどに、心を許している孝政の姿がそこにあった。
だが、話の内容は少し深刻そうだ。特に最初に話題に上がった三人は追っ手なのかもしれない。後の二人の話をする時の声色とは比べ物にならぬほど、孝政の声は曇っていた。ふと、孝政が何らかの罪を犯したのかもしれないという考えが浮かんだ。
しかし、不思議と恐怖はなかった。どのような過去があるにせよ、今彼はキョウスケにとって最高の父親。キョウスケを養い、色々なことを体験を通して教えてくれるかけがえのない人物だ。過去は過去。変えられるものでもない。過去に何があろうとも、出会ってからの孝政の姿がキョウスケにとっては全てだった。キョウスケは自らの心に迷いや間違いがないことを胸の中で確認をして、小さく頷いた。
「おい、キョウスケ!」
深く考え込んでいるところに突然声をかけられ、キョウスケの全身がビクンと撥ねた。その振動に驚いたのか、玉響が少し神経質に首を振りその場で足踏みをする。
「すまぬ、玉響。大丈夫だ。私がキョウスケを驚かせてしまったようだ。」
と言って、孝政は高笑いした。キョウスケは「ごめんなさい。」と言って俯いた。
「私が突然話しかけたから、悪かった。ところで、慣れたなら、そろそろ
「速歩?」
「ああ、並足と駆け足の間ぐらいの速さだ。どうだ?試すか?」
キョウスケは孝政に笑顔で頷いて見せた。心がすっきり晴れたわけではない。何があったのかは気になる。だが、孝政が気にかけてくれているのが嬉しかった。
今、キョウスケが考えて答えが出るものでもない。伝える必要があることならば、きっと、孝政の方から話をしてくれるはず。キョウスケはそう自分に言い聞かせた——。
高原の心地の良い風が優しく草原を撫で、空で雲雀が戯れながら囀る。孝政が張りのある声で玉響に指示を出すと、足並みは徐々に速くなり、キョウスケはいつしか風になった。
キョウスケと浪人:アイデンティティサイドストーリー KANA.T @kanata2023
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