遠い昔、神話を思わせるような時代から生きてきたヴァンパイアの青年ステリアと、近世を思わせる世界の伯爵令息アシュレイの物語です。
長い悠久の時間を含めた物語なのですが、スルスルと読め、なぜステリアがヴァンパイアになったのかの秘密も序盤で明かされるので、彼への葛藤に寄り添いやすく、作者様の世界が読者である自分の身へいつの間にか忍込み、引き込まれ、惹き込まれて行きます。
不老の青年ステリアと、登場時僅か13歳の少年であったアシュレイの肉体はどう交差していくのか…とても気になります。
この二人の心の距離が近づいて行く過程も本当に素晴らしい。
またボーイズラブの限界への絶妙なアプローチも流石としか言えません。
上質なワインのようなBLファンタジーを、貴女に。
二人が出会ったのは、運命だったのだろうか。
伯爵家の長男アシュレイは、サーカスを見に行った時に、檻に閉じ込められた美しい青年と出会う。
青年の正体は吸血鬼ステリア。サーカスの見世物として傷つけられ、おぞましい行為をその身に受けてきた。
アシュレイはステリアを助けようとするが……。
アシュレイが「怪物」である自分と関わってはいけないと、彼を遠ざけようとするステリア。けれども、ステリアに魅かれ、助けようとするアシュレイは決して離れようとしない。
お互いを守りたくて、苦しむこととなる二人。
それでも、一緒なら乗り越えていくことができるのだろうか。
あなたにもぜひ、二人を見守ってほしい。