スポットライトに照らされて-Extended Play-

如月香

1.SS:まるで恋人

「………沙那さん、どうしたんですかその恰好」

「マネージャーが着てほしいって言って聞かなくて……あんまり見ないでくれる? 恥ずかしい」

「でも物凄く似合ってますよ、サンタのコスプレ」

「う、うるさい」


いつもよりも威勢がない沙那を微笑ましく思う。

普段見せない表情を見せるときはどんなに押しても怒らないのが沙那である。


「それよりも、沙那さん。これ、僕からのプレゼントです」

「……え」


なんでか沙那は驚いていた。


「何ですか? 僕がイベント事に関心があることにビックリしました?」

「ええその通りよ。ちょっと驚いたわ」

「僕の家、昔はイベントはしっかりやるタイプだったので。ツリーだって今も毎年この時期は飾ってますよ」

「へ~以外ね。……プレゼント、開けてもいいかしら?」

「そりゃあ、もちろん」


自分が渡したプレゼントを目の前で開けられるのは少々恥ずかしいものがある。


「これは……ハンドクリーム?」

「はい、ありきたりだとは思ったんですけど……冬って乾燥するしあっても困らないかなって」

「ううん、うれしい。ありがとう」


そういう笑顔を向けられると勘違いしてしまいそうだからやめてほしい。

特にクリスマスなんてもので余計に感情がおかしくなっている。


「じゃあ……私からも。ちょっと失礼するわね」


そういうと沙那は僕の首の後ろに手をまわして顔を近づける。


「ちょ、ちょっと沙那さん⁉」

「はい、完成。颯太マフラーしてなかったから、いつも寒そうだし……私からのプレゼント」

「あ、ありがとうございます。すげえ暖かいです」

「……なによ、ちょっと不満そうじゃない? もしかしてキスされるとか思った?」


悪戯な顔をして沙那は言った。


「……いや、そんなわけ……ごめんなさいちょっと思いました。正直すげードキドキしました」

「あはは、期待させちゃって悪かったわね。そういうのはまだ、ね?」


沙那は頬を赤らめて言った。それはきっと寒さのせいだって、僕は自分に言い聞かせている。


けれどやはり、思うことは一つのみで……

「……あざといなあ」


思わせぶりな彼女に今日も僕は踊らされている。 

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スポットライトに照らされて-Extended Play- 如月香 @Kaoru_Kisaragi

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