ぐちゃぐちゃの太陽

詩月逢生

ぐちゃぐちゃの太陽


鬱々と虚な眼で覗いた天井の空の蒼さの


 


耳障りな歯軋り ギシギシと

白昼夢を八つ裂きに

サクラ舞ひチル はらはらと


蛍光灯は ちらちら

お外では もくもく


互いに互いを乱反射して

互いに互いをわらってる




きっと

何かを 追いかけ

何か 求めてた



みんなと“同じ”ように

空気を掻いて

じゃばじゃばじゃばじゃば

華麗に泳ぐの憧れて


でも息継ぎが下手っぴだから

窒息しちゃうの











私は私は砕けてく 


ばらばらばらばら


輪郭はどこにやったっけ






そんな


雑踏の愚かな迷い子は


みんなの愚行に軽口 眉顰め

みんなの全部 笑って謳って



やっと自分を見つけられる




















毎日毎刻朝昼晩

正しく善良な一般市民を乗せ

ひたすら

ぐるぐる公転する地球の片隅


不意に

差し伸べられた浅黒い手


真夏の陽射しの下

燦々と溶ける笑顔に 



目が眩んで瞬き 


ゆらりぐらりと 世界が揺れ 

どろっと溶けた アイスクリーム







お呼びでもない“ヒーロー”は



ご生憎にも


優しすぎるから


泡沫の生温い抱擁に

ぐにゃりと溶けた雨の一滴






馬鹿みたいな私は

 ありがとう、って

ぐちゃぐちゃに笑って見せる

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