短歌8集


午前二時ノートに積もる灰色にぶち壊したい月の秒針


昼下がりうすむらさきの小花たち 薫風吹かす鬱な心に


清らかな瞳輝く山烏やまがらす それでも君はゴミを漁るの


肩並べ一息ついた夕凪は二度と見れぬと窓を眺める


上野から北国へ落つ夜行列車 あなたと一緒に乗れたらよかった


木漏れ日でほのかに揺れる水面にアオサギ映る不忍池


サラサラと枝垂れて溶ける火の花に覗き込まれて帰れなくなる


綱渡り胡蝶の夢の断崖で 落ちれば常世渡れば浮世

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日常の栞 新川山羊之介 @yaginosuke

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