俳句も、短歌も、深い感受性と鮮やかな描写が印象的です。
俳句もとても素敵なのですが、個人的には短歌が刺さりました。
特に「午前二時ノートに積もる灰色」や「昼下がりうすむらさきの小花たち」といった自然や時間の描写が繊細で、心情の変化や葛藤が伝わってきます。
心の中の「鬱な心」や「ゴミを漁るの」といった暗さが、現実との乖離や孤独がこの方の心を大きく閉めているのかなと少し心配になってしまったり、かと思えば一方で、自然の美しさや季節感(不忍池やアオサギ、夕凪など)も描かれておりいやいや、さっきちょっと心配しちゃったけど、そうでもなかったかと思ってみたり。
何がそんなに刺さったのだろうかと考えてみたときに、情景と心の葛藤がリンクしている点なのかなぁって思いました。
もっと言うならば「浮世」と「常世」の対比がこの方の作る作品の魅力なのかなって、思います。
高校生らしい鋭い視点と豊かな感受性が光る作品です。