最新の科学技術とお化け。その幸甚なる共存。

連日の暑さは、地球温暖化という死に至る
病を抱えて益々加速して行く。
 嘗ては夏でも涼しく、避暑地としての
認識だった日本の東北地方。そこでも
途轍もない気温を連日更新して行く。
 行政の発案で作られた『クーリング・
シェルター』は、人々の命を守る
『なくてはならない設備』となって
いたのだが…。

この作者は先端技術と怪談を、非常に巧く
マッチングさせた、実にリアルな怖い話を
書く。整合性が、まさに 鍵 となる
難しさを、難なくクリアして書いて行く。

 先端技術と怪異。

この共存こそが現代に生きる我々の心の
琴線に触れ、又、古からの怪異たちが
今も息づいている拠り所になるのでは
ないどろうか。
 お化けは決して近代技術に駆逐されては
いないと思える、そんな素敵な怪異譚が

     確かに、ここにある。