リアルな世界には、『ミステリー』や『ホラー』のジャンル分けは存在しない

 これは、論理的に説明がつくのかどうか。そこがとにかく考えさせられます。

 朝、ゴミだしに出た直後で、『一人の少年』と会う。「おはようございます!」と元気に挨拶してくる少年。

 元気な感じで、黒いTシャツに黒いギンガムチェックのハーフパンツとか目立つ色合い。
 
 そんな彼から一度目を離す。そして、振り向いた後は……。

 この感じがやっぱり、「リアル」を感じます。突き詰めて考えれば考えるほど「合理的な答え」が見つからない。

 そして辿り着くゴールが「怪談」というゾワリ。
 これが探偵の出てくる小説だったら、きっと何かの裏があるに違いないのだろうけれど、事実には「ジャンル」という区切りがない。だから、目にしたものがミステリーで読めるのか、ホラーに落ち着くのか、「当事者」には判断しきれない部分がある。

 そんな「現実」のままならなさを感じさせられました。

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