2話 学校にて

カーンコーンカーン


終業のチャイムがなり1日の終わりを告げた

起立、礼、着席と号令がかかれば

クラスの皆は途端に帰る準備をしだす


「あー疲れたぁ、、、」

カナは肩まで伸びている黒髪が机につくほど机にへばり付く


1日5時間も6時間も座って何かを学び続けるなんて気が狂う、みんな大統領にでもなる気なんだろうか、、

なんて思いながらカナ解放感を感じていた


クラスの生徒達は皆友人同士声を掛け合い、連れ合って帰っていく

カナに挨拶をする人はいても帰るのに誘ってくる人はいない


そう、カナには親しい友達がいないのだ


「くそう忌々しいテストがなけりゃあ、、」

カナはおバカなので高校3年生2回目をやっている


高校で留年すると同級生達いや、元下級生達は1歳年上のカナに敬語を使う。3年で転校するよりも孤独感があった


孤独な女がいると言うのに誰か気を遣って優しくしてくれる男はおらんものか

なんて思っていた


カナはおバカだが、見た目も悪くない程度に可愛く、人当たりもほどほどに悪くなく、オシャレとまではいかないが清潔感ある装いであり、それなりにモテるはずだと自分で思っていた


カナはアップルウォッチより一回り大きい液晶つき腕時計をボーっと眺め

はぁーっとため息をついた

「1人だって気楽だから悪くない悪くない、、」


ぼそっと前向きな事をいってみる

寂しいが気を病んでもしょうがないのだ

カナは帰ろうと立ち上がった


「カナさん、一緒に帰りませんか?」


「!!」

後ろからかけられた声に、カナは驚いた


「....宮本君?」

声をかけてきたのは、スッキリした顔立ちの少し髪が長めの男子学生だった

顔は小さめで背は高め


「名前覚えてくれてるんですね!嬉しいです!」 

彼はニカッと笑った


うっひょーーー!!かわいい笑顔!!と

カナは一気にテンションが上がる

孤独感にさらされていた上でイケメン風の男に誘われたのだ

「こんな私でよかったらどうぞよろしく!」


と浮わついた返事をして宮本と教室を後にした


今日は出てくれるなよ、、、


とカナは心の中で念じた












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ギリギリヒーロー らーみん @marsaiK4

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