ギリギリヒーロー
らーみん
プロローグ 少女の使命
8月の水曜日、
某駅の近くのスーパーはカンカン照り
スーパー出口の自動ドアが開く
少女が出てきた、半袖とタイトなジーンズ年は17くらいだろうか
「!!!!!!!っ」
少女は両目を見開き、両手の買い物袋が両手から離れ、アスファルトにグシャっと音をたてて落ちる
少女の目の前には怪獣がいた
日曜日の昼間っからスーパーの駐車場にどこからともなく怪獣が現れたのだ
怪獣の高さは3メートルほどだ、ゾウのような長い鼻、ダチョウのようなでっかい目!ペンギンの胴体、足はタイヤだ、珍妙な見た目をしている
珍妙な見た目に反して、その長い鼻を使い駐車場に停まっている車をメキメキと締め付け、変形させて力を見せつける
スーパーの利用客は皆悲鳴をあげ、逃げ惑う
「驚かさないでよ」
そうつぶやいて、少女はズボンの後ろポケットから小さな瓶を取り出し一気に飲み干す。
「変身!」
少女は強く発光した、直視するのが難しい
すぐに光が弱くなったかと思うと少女の姿が変わっていた
白のタンクトップに白のミニスカート、白のニーハイ、戦う為に変身したのだろうが、露出は多い、耳の位置には平たい皿のようなものがくっついている、全体的に近未来的なデザインに見える
「もう、、」
不満げな表情の少女が地面を蹴れば
10メートルはあった怪獣との距離を一気に詰め寄め、長い鼻をチョップする。
ギャオオオオン!!!
怪獣は痛かったのか車を締め付けるのをやめる
怪獣の大きな目は血走り、今度は少女を狙って鼻をうねらす。
少女は鼻をヒラリと避け、さらに連続で襲いかかる怪獣の鼻をいとも簡単そうに避け、隙があればチョップやキックを怪獣に加える
その度、怪獣は鳴き声を上げ疲弊しもはや勝負になっていないようにも見える。が
少女の表情は険しい
(はやく、、しないと、、、)
少女の額には冷や汗が滲む
構える少女の足はどこか内股気味になっている
怪獣の鼻を交わしては打撃を入れるが
スピードが落ちているようにも感じる
(見当たらない、、)
少女は怪獣の身体の何かを探している
少女は眉間をしかめる
すこし前屈みになり、明らかに内股になって
膝がどこか震えている
額や首もと、方にも冷や汗が見え何かを我慢しているように見える
(これ以上長引いたら、、、ホントこのシステム何とかならないのかしら)
少女の様子に気づいてか怪獣は鼻を大きく振りかぶる
「あった!!」
振り上げた鼻の根元に何かがキラリと煌めく
少女は自身の右手を強く握りこむと、カチッと音がする
『セーフティ解除』
機械音がなる
少女は怪獣にとびかかる
「えぇぇぇぇい!!!!」
少女の右手が赤く強く発光し怪獣の鼻の根元を下から撃ち抜く
ギャオオオオオーーーーー!!!
怪獣は断末魔を上げ、少女は地面に着地した。
「やった、、、、」
塵となっていく怪獣をみながら安堵する
怪獣が完全に消える頃には遠巻きに人だかりが出来ていた
人だかりがの中の1人が何かを叫んでいるのが小さく聞こえる
ありがとうといっているようにも聞こえる
「ありがとうございます」
少女の真後ろからスーパーの店長らしき人がお礼を言ってきた。
少女はひきつった笑顔で
「いえいえ!仕事ですので!」
と軽快に答え、
「お手洗いをかりてもよいですか?」
と続けた
店長らしき人はどうぞどうぞとスーパーの奥を案内した。
少女は変身したまま風のようにスーパーの奥に消えていった
スーパーの外の人だかりは散り散りになり、1人残った青年はまだ何かを言っている
「ありがとう!ピーチフラッシュ!」
そう聞こえた
スーパーのトイレにて
「あ、、、危なかった、、、」
音姫が響くなか少女はトイレに座り表情を緩めていた
つづく
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