「プレデター」へのラブレター

神崎あきら

プレデターとの出会い、そして変わらぬ愛

 映画「プレデター」は1987年のアメリカ映画だ。当時大活躍のマッチョ俳優アーノルド・シュワルツェネッガー主演で、日本でもTV地上波でよく放送されていた。三十年以上も前の作品なので、ネタバレ御免のあらすじを紹介する。


 アーノルド・シュワルツェネッガー演じるダッチ・シェイファー少佐はCIA所属の元戦友ディロンに招集される。目的はジャングルで消息を絶った政府要人の救出だ。

 ダッチは特殊部隊の仲間とディロンと共にヘリで現地に向かい、深いジャングルに降り立つ。捜索中に墜落したヘリと皮を剥がれ逆さづりにされた死体を発見する。死体はグリーンベレーで周囲には一方的に銃を乱射した痕跡があった。


 一行はゲリラ基地を発見するが、目の前で人質が殺害された。ダッチは仲間とともにゲリラを壊滅させる。ここでディロンの目的がゲリラ殲滅と機密文書の奪取であることが発覚し、ダッチは怒りを覚える。基地にいた女性アンナを捕虜とし、ジャングルを抜けてヘリの回収地点を目指すが、仲間たちが姿の見えない敵「プレデター」に次々と惨殺されてゆく。


 アンナを解放し、最後の一人となったダッチは覚悟を決め、ジャングルに罠を仕掛けプレデターに戦いを挑む。負傷したプレデターは光学迷彩を解いて姿を現わした。

 その正体は残忍な眼光に甲殻類を思わせる凶悪な顔、蜥蜴のような肌をした地球外生命体だった。ダッチはブチ切れたプレデターに一方的に攻撃され大ピンチに陥るも、仕掛けた罠を作動させて窮地を脱した。瀕死のプレデターは哄笑しながら自爆装置を作動させる。ダッチは辛うじて逃げのび、迎えのヘリで生還することができた。

 狩る者と狩られるものの戦い、見えない敵への恐怖と緊張感を描き、最後は極限状態で反撃に出るというカタルシスが最高だ。


 最初はミリタリーもの爽快アクションだが、後半は正体不明の敵に一人一人襲われていくサスペンス色が強くなる。クライマックスでSF要素をぶっ込む大胆なストーリーだ。主役のダッチ以外も特殊部隊のメンバーはキャラが立っており、誰も捨てキャラがいない。仲間を想い敵に果敢に立ち向かう彼らに感情移入して、手に汗握りながらどうか助かって欲しいと願わずにいられない。


 そしてプレデターの正体が明かされたとき、この衝撃は今も忘れられない。プレデターが素顔を見せる映画終盤のクライマックスまで特殊強化スーツを身につけた敵国の兵士だと信じて疑わなかったのだ。まさか宇宙人とは、そんなのアリか!?と大ツッコミをしてしまった。


 プレデターの顔は今でこそシリーズ化されて見慣れているが、当時はなんという複雑で面白い造型なのかと深い感銘を受けた。どうやったらあんな唯一無二のデザインを考えつくのか。それもそのはず、プレデターのデザインは「ターミネーター」の特殊効果を手がけたスタン・ウィンストンが担当しているのだ。プレデターを生み出してくれて感謝しかない。


 プレデターの魅力に本格的にハマったのは、中野のフィギュアショップでマクファーレントイのプレデターフィギュアを気まぐれに買ったときだ。フィギュアを手にしてプレデターの造型を眺めるうちに超カッコいいのではないかと気付いてしまった。

 プレデターのボディは人間よりも大柄で長身、筋肉質、言葉ではとても説明できない独特なデザインの顔。超文明の武器とプリミティブな衣装のギャップもいい。手強い獲物を相手に狩りをする男臭い不器用な生き様。生きて戻れないと知ると自爆する潔さ。キャラもとにかく立ちまくっている。

 プレデターというクリーチャーデザインの完成度の高さにひたすら惚れ込んでしまった。


 映画自体も何度も観た。毎年明けには験担ぎで「プレデター」を観ることにしているくらいだ。監督のジョン・マクティアナンはまさに職人で、画面造りが非常に巧みだ。俳優の演技を計算した画角の作り方は神がかっている。無造作に思えるジャングルも絵画的に映えるように作られているし、そこに立つキャラクターの映像は一コマ一コマがポートレートのようだ。

 ちなみにジョン・マクティアナンは当時の大ヒットアクション映画「ダイハード」の監督でもある。「プレデター」を監督してくれて感謝しかない。


 「プレデター」は緊迫感のある音楽が最高にカッコいい。初代サウンドトラックは入手できないが、のちのシリーズ作品「プレデターズ」で初代アレンジの楽曲が使われており感動に震えた。


 それからシリーズが公開されると必ず映画館に足を運んだ。もちろんDVD・ブルーレイもコンプリートしている。新しいデザインのプレデターが出るたびに発売されるフィギュアを集めてコレクター棚には五十体以上のプレデターたちが並んでいる。


 好きなものがある、ということは心を豊かにする。辛いことがあってもプレデターを思い出すと元気が出る。好きなものを応援するために仕事を頑張ろうと思える。カッコ良い生き様に恥じないように生きようと思える。それほどまでにプレデターの存在は大きい。


 映画「プレデター」はクリーチャーはもちろん人間キャラクター、影像、音楽、ドラマとすべて最高に素晴らしい作品だ。以降、続編や「エイリアン」とのクロスオーバー作品が生まれ、なんと公開から三十八年経過した2025年にも新作「プレデター:バッドランド」の公開が予定されている。今なお根強いファンが多い。


 プレデターは心を掴んで離さない優れたデザイン性、キャラクター性がある。根幹は大事にされながら進化を続けている。すでに四半世紀以上プレデターのファンで、今もって飽きることはない。これからも私の人生はプレデターと共にある。


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「プレデター」へのラブレター 神崎あきら @akatuki_kz

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