令和戦線。

堕落と強欲の権化

第1話 宣戦布告

『我々は、大人に宣戦布告をする』


誰の書き込みだろうか。SNSのあちらこちらで投稿されていた。


『__昨日午後、様々なSNSで、「我々は、大人に宣戦布告する」という投稿が複数のアカウントからされており、警察は……』


『__このようなSNS上でのイタズラは、これまでにあまり行われておらず、捜査が進められています。次のニュースです……』


_____


「『愉快犯の犯行か』、ねぇ。不思議なもんだ」

いかにもベテランそうな男が言う。


「絶対愉快犯ですよ!こんなの意味が分からないでしょう!」

若い青年が反論する。


「大体そうだから。こういうのは反社がすることだろどーせ」

「まぁそれはそうですけど」

とある探偵社。新聞を読んでいた2人は、SNS上での書き込みに関する記事を手にしていた。


「ま、しかし念の為に調査はしておいた方がいいかもな」

「?なぜっすか?」

「長年の勘、だ。行くぞ」

「先輩!待ってくださーい!」


_____

3日後、取材班の車内


「……なんか、子供たちの様子が最近変なんですよね」

「そう?」

「永峰さぁん、気づかない?」

「安部くん、私今運転中なの、あまり話しかけないで」

「あぁごめん……それにしても」

嫌な予感がする、と呟いた。


_____

5日後


『ここで速報です。一部学校の授業参観で、学生たちが暴動を起こしました』


「ぶふっ!?なんだと!?」

「汚ねぇっす先輩!お茶を吹かないで!?」


『……校、明智小学校、東台中学校、立野工業高校、大分商業高校、久留米中学校の計189校で、児童生徒による暴動が発生しました』


「おいおい、永峰さん」

「……ちょっと、私の娘も参加してるの?」


_____

立野工業高校


「いいかてめぇらァ!俺たちはなぁ!もう我慢の限界なんだよ!てめぇら大人のいいなりになんてならねぇ!これからは俺たちが!この国をつくっていくんだ!そのための成長を妨げるてめぇらはなぁ!」

生徒たちが一斉に工具を取りだし、教師に襲いかかる。


「こうしてやらァ!」

「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙っ!」

「ヒッ……」


「分かったかぁ!」


_____

熊瀧幼稚園


「せんせー」

「はい、なーに?」

「動いちゃダメだよ」


「へっ?」


その子の手には、銃「デザートイーグル(BB弾仕様)」が握られていた__。


_____

辺泥市合同新聞社


「……何か、嫌なことでもあったのかね」

「呑気なこと言わないで!私の娘も!この暴動に参加してるのよ!?そんなこと言われちゃ、私っ……何がいけなかったのよ……!」

「安部、ちょっと来い」

「えっ、部長?」


「いいか、あいつの子も暴動を起こしてるんだ。ああなるのは分かるだろ」

「すみません、軽率でした」

「次から気をつけろよ。謝ってこい」

「はい」


「永峰さん」

「……何よ」

「さっきはすみませんでした」

「いえ……私も、取り乱したわ。……安部くん、どうにかして取材して、事情を聞きましょう」

「はい。……部長、みんな、手を貸してくれ!」

そう言って、安部は頭を下げる。


「……任せてください」

「俺たちならできますよ!」

「わ、私も参加します、……できるだけ」

「みんな……!ありがとう!」

こうして、辺泥市合同新聞は、各学校へ、資源を持って取材することになった。

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令和戦線。 堕落と強欲の権化 @daraku_gouyoku

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