100日後に死ぬわけ

第1話

100日前

また電話が鳴った。

お義母さんからだ。

まだ朝9時だけど本日30回超のコール。

そろそろ出ないとまずい。

「友理奈さん、どこ行ってたの？何度も電話したのよ。」

「すいません、お母さん。ちょっと朝から

町内の清掃で出かけてたもので。」

町内の清掃…そんなものはないのだが。

ただボランティアとか地域活動とか言えば納得するのが年寄りなのだ。

案の定

「あら、そう。ご近所の付き合いは大丈夫よね。私なんか…」

その後延々と自分がどれだけ地域に貢献したかの話。ただ今日はそれだけで終わらないかった。

「でもねぇ、私が妊娠した途端に皆いたわってくれたの。重いもん持っちゃいけない、冷やしちゃいけないってね。」

妊娠期の話しが延々続いた後

「あなたがいつまで経っても子供できないからそういうの押し付けられるんじゃないの？

あなた結婚してから太ったわよね。可愛いお嫁さんじゃないから弘樹だって…」

「あーお義母さん、着信入ったみたいなので

すいませんが切りますね。それじゃまた。」

朝からどっと疲れる。

着信拒否にしたいのだが、一回それやったら

弘樹にめちゃめちゃ怒られた。

何で子供ができないか、それはレスだからだ。