昔のアニメ

白川津 中々

◾️

 週七日という非人道的労働を終えた翌日、俺は朝一シャワーを浴びてエアコンガンガンの部屋にあるソファへ座るのだった。


 卓にあるもの。

 ビール。

 ポテチ。

 焼き鳥。

 オリーブ。

 生ハム。

 ウィンナー。


 そしてリモコン。こいつでYouTubeを操作するって寸法。流すのはアニメOPメドレー。権利的にOKかNGかは知らんが、問題あるならそれはYouTube側の責任だ。俺はアップロードされているコンテンツを視聴しているだけなのだからまったくの無罪である。あしからず。


 さぁはじまる。朝のソロ宅飲み。一曲目は北斗の拳。ポテチを割り、ビールで潤すとアルコールが回り始め、窓から差し込む光がキラキラと輝いてくる。モニター経由で出力されるセル画の迫力に、また酒が進む。


 これは恋人も友人もいない、金のない男の一人遊びである。面白味もなにもない、陶酔と懐古。人としての成長がまるでない、歳だけ重ねた大人が唯一楽しめる娯楽だ。酒を入れるのは、そんな現実を掻き消すために他ならない。自己憐憫が今は、辛い。せめて話題の新作でも眺めていたらいいのに、それすら億劫で自分の知っているものばかりを求めてしまう。子供の頃から、何も成長していないのだ。


 俺は今年、四十になる。

 にも関わらず、こんな生活をしている。

 何一つ変わらず、今日までいきてきたのだ。


 酒が、進む。

 飲むしかない。飲まざるを得ない。

 すべて、忘れられるように。

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