ゾッとするほどリアルなホラーで、最後の結末は夢か現実か……
- ★★★ Excellent!!!
この作品は、読後感がとてもゾッとする、見事なホラーです。夢と現実の境界が曖昧になっていく過程が巧みに描かれており、読み手の不安を煽る展開に引き込まれました。
最初は「ただの夢」と笑い飛ばせる悪夢から始まり、次第に夢の出来事が現実とシンクロしていく。この段階的な恐怖の進行が、主人公の狂気とともに読者を追い詰めます。
そして、最後に主人公が現実を「夢」だと結論づけるシーンは秀逸です。この論理のすり替えによって、彼は自身の行動を正当化し、さらに深い狂気へと陥っていきます。
この物語は、夢と現実の境界線が崩壊した人間の狂気を、静かで不穏な筆致で描いた優れたサイコホラーだと感じました。