0.00mmの没入感♡
- ★★★ Excellent!!!
……コピーを見て、キミは何を想像したんだい?
ボクはこれから、『一人称小説の極北』の話をしようとしているのだけど。
それでもよかったら、聞いていってほしい。
* * * * *
一人称小説。
それは、主人公の視点を通して物語を描く手法。
主人公の体験したこと、思ったことだけで紡ぎあげる作品だね。
その特徴は、そう、『没入感』にある。
没入感とは『物語に入り込んで得られる、主人公との一体感』だ。
すぐれた作品は、主人公への感情移入をかきたてる。
読み手に、自分が主人公であるかのような没入感をもたらしてくれる。
でも、どんなにいい作品でも、ごく、ほんのわずかな「隙間」を感じることがある。
その「隙間」を感じちゃうと、とたんに、ボクたちと主人公の間に薄い膜が張られてしまう。
しかし、その「隙間」を埋め、誤差0.00mmの没入感を生み出す恐るべき作品もある。
そのひとつが、本作だ。
きっとキミは、この作品を読み始めた途端、どこか違和感を覚えるだろう。
戸惑いと、混乱と、少しの嫌悪感を抱くかもしれない。
それは、キミの脳に、主人公である白鳥沙織の脳が接続した際の電気信号だ。
0.00mm。脳と心が密着して、イニシエーションが始まる。
あとはひたすら、押し寄せる沙織の心の声に、身を任せよう。
「私」という一人称を排して迫りくる、呪文のごとき文章に溺れるがいい。
大事なのは、読んだり、考えたりするんじゃない。感じることさ。
ああ、最後に大事なことを一つお伝えしないと。
この作品は、【絶対に】読み上げソフトに読ませてはならない。
ヘッドフォンなんか当てて聞いた日には、SAN値チェックが必要になる。
いいかい。【絶対に】読み上げソフトに読ませちゃだめだよ。
……ボクは警告したからね。