藤原家の雇い妻、ところにより狐の嫁入り

あやかしが視え、動物の声が聞こえ、触れると心の声が聞こえてしまう――。


不要な異質の力に振り回され、様々な人生経験を積んできた露葉。おばさんの紹介により新たな就職先、念願の【藤原】へと向かったが、そこで露葉を待っていたのは、永久就職ならぬ見合い会場だった。

新手の詐欺に遭ったと、履歴書を握り締めていた露葉は続けて、とある事件に巻き込まれてしまう。


「当主の妻になる意志はあるか」
「それって、つまり……」

　――仕事として、ということ？


しかしそれをきっかけに舞い込んできたのは、まさかの就職チャンス――？

雇い妻になることを決意した露葉だったが、今度は神隠しに遭ってしまい、気付けば目の前には和装姿の美少女と美少年が。


「姫と共に、あなた様の訪れを心よりお待ち申し上げており…続きを読む