このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(237文字)
言葉と感情がぎゅう詰めになった、かなり“濃い”作品です。おとぎ話のような柔らかい導入でありながら、その内側には重厚な心理描写とテーマがしっかりと息づいています。ネタバレになるので詳しくは触れませんが、登場人物それぞれの立場に自分を置き換えて読んでみると、見え方が変わっていくタイプの物語だと感じました。ただただ圧倒されるような読書体験で、「読み終わった」というよりも「浴びきった」と言いたくなる一作です。
なんとも言えない読後感に包まれています。言葉選び、文章のリズム感。詩ですよ、超長編の今まで読んだことがない最後までブレない不思議さを持った詩が世の中の理不尽さを美しい言葉でリズミカルにぶつけて来る詩。私には到底至れない境地です。この不思議な読後感は表現ができません。それぞれの登場人物に救いがあらんことを・・・
優しい語り口の裏で、じわじわと侵食してくる不穏さが心に残る。純粋さと悪意が同時に息づく構造が、美しくも痛い。読後、静かにまとわりつく余韻が離れない。
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(111文字)
まるで繊細なガラス細工が内側から震えているような、独白形式のプロローグ。優しすぎるがゆえに自分を否定し、感覚を捨てようとする主人公の「純粋な危うさ」に、胸が締め付けられるような感覚を覚えました。「誰かを傷つけるくらいなら、自分が傷つくほうが幸せ」という、あまりにも無垢で、それゆえに破滅的なまでの優しさが全編を支配しています。
純粋無垢な少女は右手に邪悪なものを宿す醜い心を持つ母親とのひどい過去のトラウマ右手の邪悪なものはそれを呼び起こし少女を唆そうとする御伽話のような雰囲気と多様な比喩悪意と純粋さの対話が描かれています!
魔獣と思われる「ぼく」のモノローグです。唇、口、目、瞳。それらを使って、極限の孤独が描かれています。胸をつかれる、哀切極まりない短編。
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