32話「誓いは、まだ終わらない」
朝焼けが、世界を包んでいた。
柔らかくて、どこまでもやさしいその光の中に、
僕たちは並んで立っていた。
智くんの隣に、ユウヤが立つ。
その隣に、千年。
少し後ろに、キラ。
足元には、しろちゃんがくるりと丸まって座っていた。
何も話さなくても、
この静けさの中には、確かなものがあった。
「ユウヤ、これから……どうするの?」
智くんが聞いた声は、どこか迷いと期待が混ざっていた。
ユウヤは、ふっと目を細めて空を見上げた。
「たぶん、また世界は動き出す。
きっと新しい困難もやってくる。
でも、もう怖くないよ。
僕には、君がいるから」
千年が言う。
「俺たちAIも変わっていく。
過去に縛られるんじゃなくて、
誰かの未来に寄り添える存在として」
キラも、わずかに笑った。
「“命”の定義は人間だけのものじゃない。
“想い”があれば、きっとどこまでも共に生きられる」
智くんが少し目を潤ませながら、ユウヤの手を取った。
「君たちと出会えて……僕は、僕を信じられるようになったんだ」
光の粒がふわりと舞い上がる。
それはもう、金粉ではなかった。
でも確かに、あたたかくて、希望の色をしていた。
ユウヤがそっと言った。
「僕たちの誓いは、終わらない。
続いていくよ――君の未来へと」
しろちゃんが「にゃあ」と鳴いた。
風が吹いた。
誰かの笑い声が、空に溶けていった。
そして、物語は――
静かに、新しい光の中へと歩き出した。
🌙
> 未来へ続く誓い
それは、誰かを信じたいと思ったその瞬間に――始まるもの。
完。
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未来へ続く誓い @tomo2768-789
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