航海と華密恋

沙々キハム

航海と華密恋 沙々キハム

華密恋の色を剥がして船が出る安心できる夜を手放す


砂浜をさくさく歩く見たことも聞いたこともない果実を食べる

日焼けした皮が剥がれる本当のわたしがまるでいるかのように

ヤドカリに許される用裏山で拾いあつめた蝸牛たち


海岸で焚き火をしてる髪の毛がべたべたしてる魚も焼ける

王様の海月が月のはじまりを語らうときに飲んだ葡萄酒

長すぎる夜に煮出すよカモミール不眠の鮫と分け合うために

星空が海に落ちてく夏前の魂たちが還るみたいに


せんたくを(消えないシミを引き連れて)しているわたしはせんたくできる

この街でうれしいこととおなじだけ悲しいこともありますように

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航海と華密恋 沙々キハム @matsuqing

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