AC4FAEXTRA
@hikaru-takarada
第0話
ココハ、シズカダ
ココハ、ヤサシイ
キガツクト、ボクハソコニイテ
ボクハ、ヒトリ?
「もうすぐ、クラニアム中枢だ」
「・・・」
「貴方には感謝している、嬉しかったよ」
「・・・行こう、ウィン」
「存外、甘い男なのだな? お前は」
「・・・」
「まぁ、そんな傭兵も、悪くはないがな」
ナミダガ、デソウダ
ボクハモウ、ナガクナイ
ソレデモ
ウィンと師匠が、ボクの心を、体を、魂さえも、守ってくれる。
こんなにも幸せなのだから、もう、思いを残すこともない。
ボクは、きっと、笑いながら、笑ったままで死ぬのだろう。
ミンナも、笑顔に慣れたらいいのに、一人でも多くの人が、少しでも長く、少しでも多く。
「決めるのは、オレだ!!!」
ようやくだ。
何度死んだのかさえ、数えるのを止めた。
オレはただ、オレが惚れた、この二人の女達に、笑っていて欲しいだけなんだから!!!
「それだけの事じゃないか!!!」
人類の未来も、自らの理想さえも、彼女達の笑顔に勝るものなんてない。
オレは、今、この時、この戦いに勝利する為に、自ら望んで、この“本”を選んだのだから!!!
たとえ、そこが、地獄だったとしても構わない。
終わらない経済戦争の尖兵として、いつか、戦場で倒れるという、約束された未来が視えていたとしても!!!
「アイシテイルンダ、フタリトモ」
だから、彼女達の障害は、全て、排除する。
孤児だったボクを拾い、育て、鍛えてくれた師匠の為に。
師匠の紹介で出会った、最高のパートナー、ウィンの為に。
そんな、夢を観た。
きっとコレはアイツの記憶なのだろう。
私の本業は魔術師だ。
“根源の渦”への到達の為、幾つもの並列世界を渡り歩き。
この地獄のような地上で、“彼”という“星”を召喚する事に成功した。
アイツは、未だに、いや、結局、その人生の最期に至るまで、自分が孤児だと思っているようだったがな。
「全く、勝手な奴だよ、お前は」
「・・・」
「たったの一度も、逃げる事もなく、戦い続けて」
「・・・」
「・・・こんな結末を、一体!!! 何処のドイツが!!! ・・・望んでいるっていうんだよ!!!」
「・・・」
答えは、無い。
当然だ。
彼はもう、自らの愛機、“狩人”の中で、自らの分身のような、彼自らが設計した機体に抱かれたままに、アチラの世界へと、“図書館”へと還ってしまった。
埋葬なら、もう済んでいる、これ以上、彼にふさわしい、彼の墓場など、他にはないだろう。
既に、この“本”は完結してしまっている。
今更、書き換える事なんて、そもそも、“彼”が望まない。
それでも
知った事か!
勝手に私達を守って!
勝手に満足して死のうだなんて!
なんて勝手な!
キコエテイルカ!
セカイヨ!
ワタシハ、“ココ”ニ、イル!
ワタシハ、コンナケツマツヲノゾンジャイナイ!
「ふざけてんじゃ、ねぇええエエエ!!!」
心も、体も、魂さえも、同じ方向に向かって叫んでいた。
そう、この胸に、ポッカリと空いた、胸の向こうへ!
“声”よ、響け! “言葉”よ、届け!
「・・・」
「・・・」
「・・・馬鹿野郎が」
「・・・」
1分でも良い、私に、時間を下さい!
どうか!
神様!
「スミカ? アレ? ボクは今まで? どうして戦闘中に気絶なんて? まぁ、ボクらしいけどw」
「ッ!?」
ああ、神よ、感謝します。
「聴こえてる? スミカ? 返事はちゃんとしようよ、心配しちゃうから」
「・・・こ、の、オオバカヤロー!!!」
「っ!? どうしたのさスミカ。オレの住処は、いつもいつも、後方待機の筈なのにさ。珍しいね? というか、修行時代を思い出して懐かしいよ、その機体(シリエジオ)w」
「うるさい! 黙れ! もうココに要は無い、帰るぞ」
「黙れって言われると無性に喋りたくなるんだってば!w」
「知ってるし、解ってる! お前の事は、お前が生まれた時から、知っているんだ!」
「w」
「w じゃない! ウィンから、狩人が動かなくなったと聴いた時、私が、どれだけ! どれだけ!」
「ごめんなさい。どうやら突然寝落ちしちゃったみたいで、ウィンからの通信も、今、履歴を確認したところだよw」
「・・・」
「通信途絶したら不安になるし、心配もするよね? 本当に、ごめんなさい」
「・・・べつに、謝って欲しいわけじゃない・・・」
通信が入ったウィンからだ。
「アダム! 良かった! 無事なんだな!?」
「やぁ、ウィン。今日も戦闘お疲れ様です。いつも通り、ウィンの機動は無駄がなくて、自然で、とても綺麗だったよ?w」
「「黙れ!!!」」
いやいやいや、全く、彼女達に、オレは心配はいらないのだと、どんな“言葉”で伝えれば良いのだろうか?w
本当の事を言うと、さっきは確かに、一度だけ、過労死してしまいました。
流石の私の頭脳も、オーバーヒートが永く続けば、そりゃあ死んじゃうよね?w
なので、彼女達にバレない完全な密室の中で、脳だけを電脳化して再起動をキチンとかけてから、この世界に、再び、蘇ったという事です。
コレは、誰も知らない、読者である貴方だけが知っている真実。
私の“脳”は、生まれつき、特別性だったのだけれど、後天的な薬物投与によって、強化も施していたのだけれど、生身の人間には、ハイスピードロボットバトルは、それこそハイスピードであり過ぎたようですw
AC4FAEXTRA @hikaru-takarada
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