異世界転生したら空気の密度がめっちゃちょっとだけ下がってるだけでそれ以外現実世界と全く同じな異世界だった件について

藍空スピカ@FNW&NEON

俺の一歩。

俺の名前は佐藤勇太。

ごく普通の大学生だった。

…昨日までは。


そう。俺はトラックに轢かれた。

そして目の前に天使が現れて俺を異世界に連れていくと言った。


さて、これからどんな物語が始まるのか…。


俺は、少し不安だったが、希望に満ち溢れていた。









しかし、










目が覚めると、そこは見慣れた自室だった。


ベッドの硬さも、天井のシミも、机の上に置いたカップ麺の残骸も、すべてが昨日と同じ。


だが、俺は確かにトラックに轢かれて死んだはずだ。




「おい、天使!どうなってるんだ!」


天使「ちゃんと異世界ですけど?」


「そんなわけがない!じゃぁ、なんでこんなに前の世界と同じなんだ!


天使「ここは異世界ですよ!空気の密度がちょっとだけ下がってるだけの…ね。」


「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」


天使によるとこの世界の名前は「エアーデンシティー0.98」。

空気の密度が0.02%だけ低い世界らしい。


なんてこった。これじゃぁ転生前と全く同じじゃないか!


スマホは動くし、ニュースも昨日と同じ!

友達にメールを送っても普通に返事が来る!


でも、違和感は少しだけ現れた。






「なんか、呼吸がちょっと大変だな。」


そう。空気の密度が0.02%低いということは、酸素分子の数がほんの少しだけ少ないということ。つまり、肺がちょっとだけ頑張らないといけない。



「でも、それだけ!?」



俺は走ってみた。階段を駆け上がってみた。確かに、ほんの少しだけ息切れが早い。だが、それ以外は何も変わらない。



異世界転生といえば、魔法、ドラゴン、チート能力

――そんなものを期待していた。



だが、この世界にはそれがない。空気の密度がちょっとだけ違うだけで、コンビニもあるし、バイトもあるし、教授の説教もある。


俺は、異世界転生したはずなのに今、レポートに追われている。


「これ、転生する意味あった?」


天使「ありましたよ!あなたは今、異世界の空気を吸っているのです!」


「それだけかよ!」




―――――――――――――――――――――――――――――――



この世界は空気の密度が0.02%低いだけの世界だ。


それ以外は変わらない。








天使「でも、肺がちょっとだけ強くなりました!」



別にどーでもいいよ!そんなん!




The END!!!

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