初夏のある朝

古 散太

初夏のある朝

初夏のある朝

心地よい風

駆け抜ける

見上げた空は

白くて蒼く

意識を超えて

広がっていく


洗濯物が

風に揺れてる

桜が吹雪き

元気な笑顔

心の内は

風と一緒に

飛んでいきたい


昨日までなら

感じていない

心地よさ

初夏の日差しに

照らされながら

記憶を消して

あとを濁さず


何もかも

正しくて

何もかも

答えは違う

それは当然

みな違うから

みな生きている


ツバメの親が

ご飯を運ぶ

そこに咲く

黄色い花が

心から

愛しくて

愛しくて


初夏のある朝

母が旅立ち

あとを片付け

故郷が消え

帰る場所なし

前を向いて

歩いていくさ


季節がめぐり

まだのんびりと

歩いているさ

どこまでも

いつまでも

初夏のある朝

忘れずにいる

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初夏のある朝 古 散太 @santafull

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