第19話「まさか?きみ?」

第二幕:ライバル会社での衝撃的な再会


あれから数週間。私の日常は、失恋の傷が癒え、新たな活力を取り戻していた。あの展望台で出会った「悪くないヤツ」こと、△△さんとのSNSでの繋がりは、時には仕事の合間に、時にはリラックスした時間に、自然な流れで続いていた。彼の気さくで温かい人柄は、私の心をさらに惹きつけていた。


そんなある日、私は、所属する会社にとって重要なプレゼンを控えていた。ライバル会社との、まさに「一対一」の真っ向勝負。このプレゼンで勝利すれば、大きなプロジェクトを獲得できる。私も、チームの一員として、準備に余念がなかった。


プレゼンの当日。会場は、ホテルの会議室。緊張と期待が入り混じる中、私はチームメンバーと共に、受付を済ませた。対戦相手であるライバル会社の担当者が、すでに会場入りしているはずだ。


「今日の相手は、確か、あの△△っていう会社だよね?」


チームのリーダーが、資料を見ながら、そう言った。


「え…?」


私の心臓が、ドクンと跳ねた。△△という会社名。まさか。それは、つい先日、SNSで連絡を取り合っていた彼が所属する会社と同じ名前だった。


「…もしかして、相手側の担当者の中に、△△さん、いるんですか?」


私の声は、少し震えていた。チームリーダーは、私の様子に気づき、首を傾げた。


「さあ?どこの会社の人かまでは、詳しく知らないけど。まあ、名前くらいはすぐに分かるだろ」


そして、プレゼン開始の時間。会場に、全員が席に着く。司会者のアナウンスが始まり、各社のプレゼンターが紹介されていく。


「それでは、次に、ライバル会社、△△社のプレゼンテーターの方々のご紹介です。ご紹介いたしますのは、プロジェクトリーダーの…」


司会者の声が、会場に響き渡る。そして、相手側のプレゼンターたちが、壇上に姿を現した。


その一人を見た瞬間、私は息をのんだ。


まさか。


そこに立っていたのは、あの展望台で出会い、ブロック事件で盛り上がり、「友達からよろしくね」と約束した、あの△△さんだった。


「まさか?きみ?」


私の脳裏に、あの日の彼の言葉がフラッシュバックした。彼の方も、私に気づいたのだろう。壇上から、一瞬、私の方に視線を向け、その表情は、驚きと、そしてほんの少しの悪戯っぽさが混じった、あの時のままだった。


私たちの間に、目に見えない電撃が走ったような気がした。いや、もはや、これは電撃ではなく、稲妻に打たれたような衝撃だった。


ライバル会社とのプレゼン対決。その舞台で、まさか、あんなにも親しくなった彼と、敵として相対することになるとは。


私たちは、互いに目を合わせ、そして、小さく、しかし確かに、目が合った。この状況をどう受け止めるべきか、二人とも、まだ理解が追いついていないようだった。


第二幕は、思いがけない、そして非常に激しい、ライバル会社での再会から始まった。

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「展望台」 志乃原七海 @09093495732p

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