コンビニのメロンパン

 

第1話

客「このメロンパンめちゃくちゃ美味しいですよ。俺、世界で一番美味しいのはセブンのメロンパンだと思っていたんですけど、それを上回りましたね」


店長「ふふふ。そう言っていただけてとてもうれしいです」


客「今度レシピを教えて下さい」


店長「レシピは……わからないですね」


客「わからない? 店長しか知らないということですか?」


店長「あの実は私が店長でして……これ、うちで作ってません。セブンのメロンパンです! 父の店を継いだんですけど、メロンパンだけは上手く作れなくて、でもメロンパンのないパン屋は嫌だなと思って既製品を置いているんです」


客「……そうでしたか」





店員「店長、あの人常連さんですよね? なんであんな嘘付いたんですか?」


店長「だってあの人、死神憑いてたんだもん。せっかく建てた店で突然死なんてされたらたまったもんじゃない」


店員「店長。死ぬって言っても病死以外もあり得ますよ。……もしさっきの事実がバレたらどうするんですか?」





客「食べ比べてみたけど、全然味が違うな。もしかしてあいつ、俺のことが嫌いだから来させないようにするために、あんな嘘を付いたのか。絶対に許さない」



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

コンビニのメロンパン   @hanashiro_himeka

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ